SEOとアクセシビリティ
第1回「SEOって何?」
執筆担当
長命 洋史
(ちょうめい ひろふみ)
近年、ウェブサイトのアクセスアップ手段として、「SEO(Search Engine Optimization:サーチエンジン最適化)」が大きな注目を浴びています。SEO対策は、利益に直結しやすいという効果から、多くの企業・個人サイトで行われるようになりましたが、アクセシビリティ上必ずしも良い結果と言えないケースも見受けられます。
このコラムでは、SEOについて概説した上で、アクセシビリティとの共通点・相違点についてご紹介したいと思います。
SEOとは?
そもそも、SEOとは何でしょうか?よくご存知の方もいるかと思いますが、まずはSEOの基本的な考え方とその効果についてご説明します。
SEOとは、その名が示すとおり、検索エンジンに対してウェブサイトの中身を最適化することです。「最適化」とは、この場合、検索エンジンの検索結果表示画面において、自らのウェブサイトを上位(多くの場合、検索結果の1番目〜20番目前後を指します)に表示するようコンテンツを作成することを意味します。
検索エンジンの検索結果表示画面において上位表示することのメリットには、大幅なアクセスの向上や売り上げの増加といった、様々な点が挙げられますが、これにはインターネットユーザーの特性が深く関係しています。
新規ユーザーは検索エンジンからやってくる
SEOに関するユーザー特性として最初に挙げられるのが、インターネットユーザーの検索エンジン利用率の高さです。
Yahoo! JAPANが毎年行なっているインターネット利用者アンケートでは、インターネットユーザーが新しいサイトを見つけるのに用いる手段として、約8割が検索エンジンを利用しているという結果が出ています。この数値は、全ての手段の中で最も多い割合となっており、新規ユーザーの獲得に、どれだけ検索エンジンが影響しているかをよく示しています。
ユーザーが見るのは検索結果の2ページ目〜3ページ目まで
二つ目に挙げられるのは、検索エンジンを使う際の、ユーザーの行動特性です。検索エンジンの結果画面を見てウェブサイトを探すとき、ユーザーの多くは検索結果の2ページ目(検索結果の20番目)、ないしは3ページ目くらいまでしか見ないと言われています。
米国International Science Newsの調査では、検索エンジンユーザーの7割が、2ページ目までしか見ないという結果が出ています。
これはつまり、20位以内に入らないと、検索エンジン経由では、ほとんどのユーザーからは見つけられないウェブサイトになってしまうということです。
検索結果は広告よりも信頼されやすい
SEOが重視される三つ目の理由は、検索結果表示に対するユーザーの信頼性の問題です。インターネットユーザーは、バナー広告などのインターネット広告よりも、検索エンジンの検索結果を信頼しやすい傾向があると言われています。
2001年2月に米国NPD Groupが発表したデータによると、オンラインショッピングの経路について、検索結果で見つけたサイトからオンラインショッピングしたという回答が55%だったのに対し、バナー広告に現れたサイトからショッピングしたサイトというのは9%だったという結果が出ています。
猫も杓子もSEO
前述のような理由から、検索エンジンにおいて上位表示することが、ウェブサイトをプロデュースする上で、いかに重要であるかということがお分かりいただけるかと思います。もちろんウェブのプロデュースには、SEO以外にも沢山の手法が存在します。また、後述したいと思いますが、SEOを重視するとコンテンツの作り方にどうしても制約がでてきてしまいます。その点では、SEOは一部の企業・個人には嫌われる手法であったりもします。しかし、ウェブのプロデュースに広告費を多く費やせない企業や個人にとっては、コンテンツの作り方そのものが広告効果を生むということもあり、多くのウェブサイトで取り入れられています。
ところで、多くのサイトでSEOが行われるようになればなるほど、インターネット上のウェブサイト全体やインターネットユーザーに対しての影響力もまた、大きくなるのは当然の流れと言えます。影響力が大きい技術であれば、できればウェブ全体やインターネットユーザーにとって良い結果を生み出してほしいものです。
では、一体SEO対策は、ウェブサイトやインターネットユーザーに対してどのような影響を与えているのでしょうか?これを理解するには、SEOの具体的な手法について少し知る必要があります。次回は、SEOの代表的な手法についてご説明し、アクセシビリティとの共通点を導き出したいと思います。
- 参考:Yahoo! JAPAN 第17回インターネット利用者アンケート
- アンケート実施期間:2005年4月12日〜4月25日 有効回答数:6万5458票
- アンケート結果
- ウェブサイトの認知経路
SEOとアクセシビリティ
このコーナーの目次
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