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わたしとWebとパソコンと
No.2 肢体障害者の施設の中で(後編)

[ 2008年2月4日 ]

岩渕正樹さんの写真 インタビュアー
岩渕正樹さん
(いわぶち まさき)

吉田有紀子さんの写真清水正男さん
(しみず まさお)



使いたいが使えない

岩渕:パソコン以外でも、ケータイを使って様々な便利なサービスを利用できるようになってきましたが、清水さんはケータイ、使っていませんよね。使ってみたいと思いますか。

清水:そりゃありますね。外出したときとか、急用ができたときとか…。

岩渕:使ってみたい清水さんがケータイを使っていないのはどうしてでしょう?と敢えて聞くまでもないことを聞くのは、このインタビューを読んでいる人への説明として、ですので、使っていない理由をお話しください。

清水:やっぱり操作するのは無理かなぁと思って。

岩渕:どういうケータイだったら、清水さんにも使えると思いますか?

清水:たとえば、これは施設の公衆電話ですが、以前は普通の公衆電話だったので、職員さんに受話器を持ってもらっていたので、忙しいときには頼みにくかったし、長く話したくても遠慮したりしました。プライベートなことも持ってもらっているとなかなか話せなかったりしました。
ヘッドセットの付いている公衆電話機の写真

それがNTTの人が工夫してくれた今の公衆電話になって、ヘッドフォンを付けてもらってダイヤルを回してもらった後は職員さんは受話器を持っていなくていいので、気兼ねなく電話を続けることができます。もちろん、話す内容も気にしなくていいし長電話もできます。
ヘッドセットで話している写真

携帯電話でも、介助する人に電源さえ入れてもらって、音声入力や自分でも操作できる方法で電話番号を入れることができるような、そんな電話だったら欲しいです。もっと大きくなってもいいし、他の装置に接続して使うものでもいいから、自分で操作できるものが開発されたらぜひ使いたいですね。

岩渕:スカイプなんかどうですか?

清水:スカイプって?

岩渕:インターネットを通じたテレビ電話みたいなものです。

清水:あー、あれね。でも、相手がパソコンを使ってないとダメだと聞いて。

岩渕:パソコン同士だけでなく、普通の電話にもかけられるようになってますよ。

清水:できるんですか! 知らなかった! 外出したときはケータイがあったほうが良いですが、ここで使う分にはパソコンでかけられるなら嬉しいな。変わってきたんですねー。
サイトを閲覧している写真

岩渕:今度はさっきの逆で、インターネットやパソコンやケータイが広がったことで、今までできていたことができなくなってしまったという経験はありますか?

清水:公衆電話が無くなっているので、知らない人にかけてもらうにしても電話そのものを探すのが大変です。

岩渕:私もです。私もケータイなんて持つつもり無かったんですが、どんどん公衆電話が減ってしまって。これって、買わせるための陰謀ですよね (笑)

清水:(笑)

A.A.O.はどうでしょう?

岩渕:色々たっぷり聞かせていただきましたが、最後に、このインタビューが載るA.A.O.についてもお聞きしたいと思います。障害を持つユーザーという立場から、こういったところが見やすい、使いやすいといった他のサイトにも見習ってほしいところはもちろんですが、サイトを閲覧していて困ったこと、改善してほしいと思った点もご遠慮なくどうぞ。「A.A.O.はアクセシブルなウェブをめざす提供者と利用者のための実用サイト」ですので、遠慮は無用です。どんな正直な感想でも言い過ぎにはなりません (笑)
川べりの桜並木を描いた絵

清水:トップページに、障害者のウェブやパソコンの使い方が載っているのが非常に良いです。

岩渕:「アクセシブルなウェブをめざす提供者と利用者のための実用サイト」ですから、載っているのは当たり前と言いますか当然ではありますが、A.A.O.さんに限らず、そういった案内はどんなサイトにも載っていてほしいですね。

物作りにはその人の感情

清水:パソコンやウェブを作っている人は健常者なので、健常者を対象に機能や格好を重視していますが、でも、今の世の中、老人や障害者が増えて来ている時代です。IT時代は障害者や老人でも、パソコンを持っている人は多いと思うが使いこなせないでいると思います。簡単なことでも分からないことがあると途中で飽きてしまう人もいるでしょう。障害者がウェブやパソコンをどう利用しているかが載っていると、家族や周りの人が病気になったり老人になったり障害者になったりしたとき参考になるのでは。そういった意味でも、トップページに持って来ているのが良いです。特に、パソコンやソフトやウェブを作る会社は、見る人、使う人の立場にたって作って欲しいですね。
福祉イベントのパソボラコーナーを訪れた清水さんの写真
(写真:綿貫正枝さん提供)

岩渕:同感です。

清水:普通、ウェブのトップページには会社の売り込みや宣伝が載っていますが、A.A.O.の内容を分かってもらうような作り方になっていると思います。「こういう思いでウェブを作ってるんだ」と言う提供者側からの感情が入っていることも親切丁寧で非常に良いと思います。私も個展を開いていますが、絵の下にコメントを載せています。そのとき制作した思いや感情を書くようにしていますが、物を作るというのは、こだわりとか思い、その人の感情があると思います。一人ひとり違うイメージやレイアウトがあるように、そういったことも考えていることが伝わってくるのが良かったと思います。誰からみても100パーセント完璧な物をつくるというのは無理ですが。
逆にこのウェブは、障害者からは見やすくても、健常者がみたらシンプルすぎて物足りないかも知れませんね。

作品に付けているコメント
コメントの内容

岩渕:A.A.O.の使い勝手はどうですか?

清水:縦メニューも横メニューも文字は小さめだが分かりやすいです。クリックして入ると、文章が画面の真ん中で、コマーシャルも無くすっきりしているので読みやすいです。文章の中の文字は大きめで、字間隔なども見やすいです。
ただ、ページ内でのスクロールが多いですが、情報が多いので仕方ないことだと思います。
トップページはメニューが3列になっているので、タブキーを使ってもマウスキーでも大変ですが、制作者が内容を分けているのだろうから仕方ないかな。
菜の花の咲く巾着田の絵

岩渕:本当に仕方がないのか、改善の余地が全く無いかどうかは、これを機会にA.A.O.さん、考えてくれると思いますよ。今日はどうもありがとうございました。


A.A.O.の担当者から清水さんへ

スキーが趣味である私にとって、清水さんの事故の前後のお話は他人事ではありません。「障害のある状態で生活する」あるいは「障害のある方と共に生活する」ということが、私自身にとって極めてリアルな事であることをあらためて実感しました。

A.A.O.では引き続き、サイトでの情報提供や研修会などの機会を通じて、多くの人達に、清水さんにとってのパソコンやホームページなどの存在、様々な苦労も含めた利用の実情を伝えていきたいと思います。
また、A.A.O.についてコメントいただいている内容を、設計に活かす方策を試行錯誤したいと考えています。

今回は長時間のインタビューにご協力いただきましてありがとうございました。今後もホームページの評価テストなどご協力をお願いいたします。(大久保)

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