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わたしとWebとパソコンと
No.4 視覚障害者の社会参加で(前編)

[ 2008年9月1日 ]

岩渕正樹さんの写真 インタビュアー
岩渕正樹さん
(いわぶち まさき)

宇佐美昭治さんの写真 宇佐美昭治さん
(うさみ しょうじ)



みんなも見えないと思ってた

岩渕:ところで、以前から「障害者運動」のようなこともしていたのでしょうか。

宇佐美:いや、全く運動はしていませんでした。

岩渕:すると、障害者との関わりは?

宇佐美:そうですね。自分が障害者になり、定年になったので、地域にかかわりたいと始めました。

岩渕:ついでといっては何ですが、宇佐美さんの中で、一番最初の障害についての思い出はなんでしょうか?

宇佐美:小学校時代から、机は最前列にいたので、いつも目が悪いというのは意識していました。

岩渕:でも、それは視野の狭さと夜盲症であって、そこでは自分が障害者だという意識はなかったということでしょうか?
盲人ゴルフに挑戦している写真

宇佐美:なかったけど、ちょっと違うんじゃないのか?と思いながらも、みんなも見えないんじゃないかと思っていました。
ぼくは見えないはずなんですが、夜、自転車に乗っていたんですね。だから、自転車に乗れるみんなも見えないもんだと思っていました。
ぼくが意識したのは、みんなで走ったときに女の人とぶつかったことからです。みんなはぶつからないのに、どうして自分だけぶつかったのかと思ったのが、自分の目は他の人とは違うんだなと思ったきっかけです。小学校の5、6年生のころでした。

岩渕:盲学校に行くのは、自分で決めたのでしょうか?

宇佐美:実は、兄も眼が悪く、私よりも先に盲学校に入ったので、その影響で盲学校を知りました。

岩渕:そんな宇佐美さんが、本格的に見えなくなってきたのはいつごろからだったのでしょうか?

宇佐美:40代後半からです。

前日書いた文字が翌日…

岩渕:急激に見えなくなるというのは、どんな感じだったのでしょうか?

宇佐美:これがですね。前日書いた文字が翌日読めないというのはショックでした。町を歩いていて、先週見えていた家並みが今日は見えないということで、かなり焦りました。

岩渕:病名でいうと、何でしょうか?

宇佐美:網膜色素変性症です。

岩渕:前回の岡野五恵さんもそうでしたね。岡野さんは日本網膜色素変性症協会(JRPS)に入っていましたが、宇佐美さんも何かしらの「網膜色素変性症」の会に入っていたのでしょうか?

宇佐美:いや、私たちにはそういう会はありませんでした。まだできていなかったのです。

岩渕:なるほど。岡野さんは「発足の総会に参加した」と言っていましたので、宇佐美さんが見えなくなるのは、そのずっと前だったということですね。

宇佐美:そうですね。

職場でパソコン、私が初めて

岩渕:見えにくくなって結局は見えなくなった生活は、宇佐美さんが抱いてきた趣味や夢、生きがいや生活にどういった影響を及ぼしたでしょうか?

宇佐美:飲み歩きは別としまして、ボートやスポーツはできなくなったので、ほとんど飲むのが専門になりました。

岩渕:肝臓を鍛えるのが生きがいになってしまったのですね(笑)

初めて坂戸パソボラと出会った当時は、まだお勤めでしたが、会社でもパソコンは使っていたのでしょうか?

宇佐美:実は、職場でパソコンを使い始めたのは私が初めてなんですよ。私の仕事はリハビリテーションで、カルテの記載が必要なんです。当初は点字で書いていたのですが、それでは休んだりいなかったりしたときに情報が伝わらないので。
パソコンにメールを読ませている写真

岩渕:職場の他の人たちは、点字が読めなかったから、ですね。

宇佐美:そうです。パソコンを導入してもらい、点字で入力できるAOKワープロでカルテを作って普通の活字として印刷し、情報を共有しました。私の病院で導入したことがきっかけで、全部の都立病院にパソコンが導入されました。

岩渕:パソコンの導入で、苦手な点字とオサラバできたのですね(笑)

宇佐美:(笑)

岩渕:職場でパソコンを使っていて…自宅ではどうでしたか?

宇佐美:自宅では、カルテを書く程度のワープロ機能しか使っていませんでした。

パソコンにカルチャーショック

岩渕:既にパソコンを使っていたのに、坂戸パソボラのパソコン講座に出ようと思ったのには何か理由があったのでしょうか?
パソコン体験講座の写真

宇佐美:パソコンでメールができるのではないか、他にも何かできるのではないかという漠然とした期待があって、講座に参加してみました。

岩渕:つまり、パソコンによる何らかの展開、あるいは、更なる展開を期待して…があったということですね。

宇佐美:そうですね。

岩渕:期待に応えた講座でしたか?

宇佐美:正直言って、大変カルチャーショックを受けました。

岩渕:どのような「カルチャーショック」だったのでしょうか?

宇佐美:まず、メールができることで、他の人と情報が交換できる。ホームページで、自分で調べられる。時には、音楽をパソコンで聴くことができるというように、私にとってはオモチャであり、情報の玉手箱だと思いました。

岩渕:ハマリましたか?

宇佐美:大ハマリです(笑)

岩渕:パソコンを駆使するようになった宇佐美さんが。

宇佐美:いやいや、駆使まで行きません。入り口でウロウロしてします(笑)

岩渕:今日は駆使ということで(笑)


インタビューは続きます。中編では、パソコンに目覚めた宇佐美さんが地域にかかわりたいと呼びかけ結成した視覚障害者の会「アイネット」、視覚障害者にとってのパソコン、視覚障害者とメール、宇佐美さんとの出会いのきっかけとなったデイジー図書と、様々な世界が登場します。「ここだけの話」満載の、宇佐美さんの話にご期待ください。

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