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ウェブアクセシビリティ向上への道 - だれもが使えるサイトを目指して -
No.01「アクセシビリティ」って何だろう?

[ 月刊『広報』 平成17年8月号掲載 ]

執筆担当
大久保 翌
(おおくぼ あきら)


行政の広報担当者に役立つ実務記事などを中心とした行政広報専門誌、 月刊『広報』 にて、連載「ウェブアクセシビリティ向上への道 – だれもが使えるサイトを目指して -」を開始しました。

日本広報協会様のご好意により、転載させていただきます。

どんなに魅力的な情報やサービスも利用できなければ何の意味もない

2004年6月に、ホームページに関する初めての日本工業規格であるJIS X 8341-3が制定されました。このJIS規格は「ウェブアクセシビリティ」について定めたもので、中央省庁や自治体は、ホームページの制作・運営にあたって尊重義務があります(工業標準化法第67条)。

この連載では、多くの方にとってまだまだ聞きなれない「ウェブアクセシビリティ」について、基礎知識や最新情報、自治体ホームページで考えるべきことなどをお伝えしていきます。第1回はまず、どのような概念なのかを考えてみましょう。

ホームページへの様々な要求

ホームページを提供する方が考えるべきことはいろいろあります。まずは、提供する情報やサービスを用意しなければなりませんし、それらを「いかに魅力的に提供するか」という工夫も重要でしょう。

また、ホームページが人々の生活に欠かせないメディアになるにつれて、提供者の立場から工夫するだけでは、利用者にうまく情報が伝わらなかったり、場合によってはサービスを利用してもらえないということが分かってきました。ホームページにかかわらず、特定のだれかではなく広くみんなが利用するモノには、「利用者が快適に利用できるか」という観点が欠かせません。ご自分の周りを考えてみてください。駅や空港の案内、公共のトイレ、自動券売機、ATM、テレビのリモコンなどなど、身の周りのあらゆるモノについて「どのようにつくれば、使いやすいか、分かりやすいか」という議論が行われ、少しずつ進化しています。ホームページの管理者や制作者の間でも、非常に重要な問題として意識されることが増えてきました。

魅力や快適さと同時にだれもが使えること

さて、この連載のテーマであるアクセシビリティとは、「魅力的か、快適に利用できるか」といった視点よりも、さらに根本的な問題である「そもそも利用できるかどうか(使えないという事態が生じないかどうか)」ということです。

建築物を例に考えてみましょう。例えば、もしもデパートに階段がなければ、上の階に上がれず、買い物をしたい店に行くことができないでしょう。階段が設置されることで初めて多くの人が上の階に上がれるようになります。さらに手すりがあったり、スロープやエスカレーターやエレベーターも併設されることで、より多くの人が上の階に上がって買い物ができるようになります。

どんなに魅力的な情報やサービスも、そもそも近づけなかったり、読めなかったり、操作ができなかったりしては、利用者にとって全く意味がありません。多くの人にとっての魅力や快適さを追及すると同時に、「だれが利用しても、使えないという事態が生じないように」ということをきちんと考える。これがアクセシビリティです。

建築物、器具、機器、サービスなど身の周りのあらゆるモノにおいて、アクセシビリティの概念は存在します。この中で、現在特に注目されているのがホームページを主な対象にした「ウェブアクセシビリティ」です。

試行錯誤ができないこともある

皆さんがホームページを利用していて、一部が表示されなかったり、レイアウトが崩れて重なってしまったり、文字が化けたり、クリックしても操作ができなかったりして、困ったり、あきらめたりした経験はありませんか?極めて読みづらくて読めないも同然とか、操作できないも同然というようなケースも含めると心当たりがあるのではないでしょうか。

ホームページを読めない、操作できないという問題は、様々な場面で起こりますが、特に困っているのが高齢の利用者や、障害のある利用者です。例えば私の場合は、そのような問題が生じた場合でも、必要であればブラウザを変えてみたり、OSを変えてみたりと試行錯誤をして乗り切ることができます。しかし、高齢者や障害者は、そのような試行錯誤自体が心身の負担になったり、特殊なソフトや機器を使って利用しているために、試してみたくてもできないという場合があるのです。手を骨折してマウスが操作しづらくなったり、一時的に目の病気で見えづらくなったり、というような場合も含めると、何かしらの心身の条件によってホームページが利用できないという事態は、私たちの周りで当たり前に生じ得る(生じている)といえるでしょう。

ウェブアクセシビリティとは、ホームページというメディアをだれもが情報やサービスを利用できるものとして発展させていこうという考え方です。「ホームページを利用しているすべての人が、心身の条件や利用する環境に関係なく、提供されている情報や機能に支障なくアクセスし、利用できること」と定義できます。

次回からは、自治体ホームページのアクセシビリティについて考えていきましょう。

【バリアフリー? ユニバーサルデザイン? ユーザビリティ?】
「アクセシビリティ」と似たような言葉に、「バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」「ユーザビリティ」といったものがあります。現在これらの言葉は様々な場面でいろいろな意味や思いを込めて使われていますが、目指しているゴール(だれもが快適に使えるように)は基本的に同じです。あまり言葉の違いに惑わされずに、目標や実際の成果に注目するようにしましょう。
一般的には、バリアフリーは「既に存在する問題を解消する」、ユニバーサルデザインは「最初から問題がないようにつくる」という考え方です。どちらの方法論であっても目的はアクセシビリティ(だれもが利用できる)ということがいえるでしょう。また、ユーザビリティ(利用の快適さ)はアクセシビリティと密接な関係があります。あまりに利用しづらい(ユーザビリティに問題がある)と、利用できないも同然といえるからです。

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