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Voice ~公共サイトの担当者が語る~
No.4 ウェブ担当者のつぶやき

[ 2007年7月5日 ]

寄稿
宮城県 総務部広報課企画報道班 主任主査
木村 文康さん



宮城県のホームページ事情

宮城県のトップページ画像「写真などの画像には、代替テキストを付けてください。」「標題には見出し1の属性を付けてください。」「ページタイトルが記入されていないので、簡潔にタイトルを入れてください・・・・」

ほぼ毎日、各課のホームページ担当者と交わす言葉です。平成9年にスタートした宮城県のホームページは現在4万ページを超え、今もその数を増やし続けています。我が広報課では、宮城県の表玄関であるトップページを管理し、各課・事務所にリンクしています。

平成15年度のリニューアル時にトップページやテンプレート(ひな形)を一新し、現在に至っていますが、このリニューアル時から継続して取り組んできたのが、「ウェブアクセシビリティへの配慮」でした。共通のテンプレートの使用を基本として、毎年のようにウェブアクセシビリティに関する職員研修をおこなってきました。リニューアル当初には「○○ランキング」などでも高順位につけ、お褒めの言葉をいただいたりもしました。

しかしその後は他県でリニューアルがされていくと徐々に順位を下げ、今ではマラソンでたとえると「第2集団~第3集団のあたりを行ったり来たり」といったところでしょうか・・・。CMS導入が一つの流れとなりつつある今、他県のサイトがCMSにリニューアルしたとの報に触れるたび、財政事情等により当面は現行の「手作りスタイル」で行かなければならない本県としては、「いいなぁ・・・」とうらやましがる次第。

職員の人事異動により概ね2~3年で各課・事務所のホームページ作成担当が替わることもあり、日々更新されるページのアクセシビリティへの配慮のお願いや、研修会による維持向上は欠かせません。総務省の研究会で作った、「みんなの公共サイト運用モデル」を参考にしながら、「宮城版簡易点検ガイド」をつくってイントラネットに載せてみたり、手探りで取り組んでみてはいるものの、やはり各課オーサリングソフトによる手作業に限界があるのか、ランキングが他県から徐々に追い抜かれていくのは、担当としてはやはり悲しいものがあります。
ただ、悲しいことばかりでもなく、手作りが故、「予想外」に良かったと思えることもあり、今回はそのことについて書きたいと思います。

手作りの良さ!?

先に書いていますとおり、宮城県では各課、事務所単位でホームページを作っています。所属毎にホームページ作成担当者を決め、この担当者を中心に各課・事務所のページが作られている訳です。ただし、この担当はホームページの作成だけをしているわけではなく、主たる業務をこなしつつ、その合間に所属のページの作成・更新もおこなっているのが現状です。

中にはそれまでホームページを作ったことがない、「HTMLって何?」という人も、ある日突然担当者になる場合もあります(2年前の私のように・・・)。訳も分からずページを作り、悪戦苦闘の末ようやくアップロードしたかと思うと、広報課から連絡がはいり、やれ「ALT属性がない」の、「ポイントは絶対値ではダメ」だのと、私にあれこれと言われる事になります。そういう、ページ作成担当者側の実情も分かっているだけに、私としても「申し訳ない」という想いを持ちつつ、日々修正のお願いをしています。

ところが、意外にも多くの場合、配慮の必要性をよく理解してくれ、面倒なページ修正にも素直に応じてくれます。自分の組織の職員を褒めるのは、いささかためらうところではありますが、本当によく対応してもらっていると感じています。特に、一番うれしいのは、アクセシビリティの説明をしていて、「なるほど、そうなんですか」と言ってもらえたときです。この「なるほど」は、「自分たち行政が放った情報の先にいる様々な人たちの存在に改めて気づく瞬間」と言い換えられるかも知れません。

「障害のある方、高齢の方、様々な属性の方が宮城県のページにちゃんとアクセスできるか?」そんな視点を持ってもらえれば、その後の説明は本当に素直に聞いてくれます。これはホームページに限らず様々な場面で活かされるのでは、と期待しています。

一見福祉と無縁に思える部署でも、全てが重要な「社会資源」である、という見方が福祉の分野ではあるようですが、そんな観点からすれば、こうしてホームページという切り口であらゆる部署の職員が「視点」「気づき」を持つきっかけを提供できるということは、ウェブ担当者は、ちょっと他の所属にはない役割を持ち得ると言えそうです。考えてみると、こうして「気づき」を持ってもらえるのも、手作りが故に、各所属のホームページ作成担当者と「ああでもない、こうでもない」とやりとりをしている過程があった結果ではないかと思う訳です。「アクセシビリティに配慮したホームページ作り」を到達点とすれば、そこへのアプローチはCMSを使った方が断然、圧倒的に簡単であり、より精度を上げられると思います。しかし、「障害のある方、高齢者等の存在への気づき・視点を育てる」という事を一つの到達点とみると、今の泥臭い、アナログ的な「手作り」で一手間かけることが、案外無駄ではなく、かなり有効なプロセスのようにも思えるのです。

ホームページのこれからについて思うこと

昨年末、国連で「障害者権利条約」が採択されました。今後、この条約の趣旨が国内法にしっかりと落とし込まれていけば、私たち自治体職員はどのような部署にいようとも、行政が発信するあらゆる情報について、だれもがその情報に容易にアクセスできることを保障しなければならなくなるでしょう。

来るべき時代の到来に備え、私たちはITを活用したより効率的な環境整備と併せて、私たち自身の「感性」も今まで以上に磨いていかなければならないのかも知れない・・・。でもできることならそんな法律の整備を待たずに、誰もが当たり前のように情報へのアクセスができるように配慮がなされている宮城県になっていれば・・・と願いつつ、今日もホームページ作成担当者に電話を入れるのでした。

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