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レポート 公共サイト運営の最前線
第3回「市民の声を活かしたサイト運営 ~名古屋市公式ウェブサイトの取組み~(後編)」

[ 2009年5月25日 ]

ゲスト
名古屋市市民経済局地域振興部
市政情報課 情報提供係
主事 桑原 慎治さん
主事 坂崎 光恭さん



市民のニーズに合わせた情報の取捨選択が必要

アライド:より良いウェブサイトにしていくために、現在の課題がありましたらお聞かせいただけますか。

坂崎坂崎さんと桑原さんの写真フィードバック機能を使って市民の声を取り入れることによって、適切なコンテンツ数でウェブサイトを管理することの重要性が分かってきましたが、今は市民のニーズと提供している情報がマッチングしていないような気がしています。

アライド:本当に市民に必要な情報が的確に提供されているかという点では不十分ということでしょうか。

桑原:市民のニーズを把握しきれていないと認識しています。なぜこの情報が載っていないのかと問合せが来る場合もありますし、本当に掲載の必要があるのかという情報が載っている場合もあります。先日は、30MBぐらいあるパンフレットのデータをダウンロードできる形式で公開したいという課がありました。そのようなものをアーカイブ的に全部ウェブサイトで出さないといけないのかというと、それは違うと思います。

坂崎:各課でページを作りたければどんどん増やせてしまうため、サイト全体の統制がとれておらず、サイトとして情報をいかに伝えていくかというポリシーが伝わりづらくなっています。各分野でどういった情報をウェブサイトで伝えていく必要があるのかを、横断的に見ていく必要があると思っています。

桑原:そのコントロールはまだ不十分で、各課の判断でそれぞれが適切と思われるスペースを見つけて情報を載せているだけです。市民が特に見たいのは、例えば生活関連であればゴミの情報や届出情報などに限定されると思います。福祉関連では、施設の情報など基本的な情報を先に見たいと思いますが、実際にはお知らせなどのトピックと混ざって掲載されています。市民のニーズと実際にアウトプットする情報のマッチングが難しいと感じています。

アライド:市民にとって必要なコンテンツの掲載基準を整備したり、全ページについて情報分類の見直しをもう一度やる必要があるのではないでしょうか。

坂崎:まず情報量を減らさなければいけないと思っています。広報紙はスペースに限りがあるのでどうしても伝えなくてはいけない情報をピックアップしてあります。市民が広報紙を見れば大体の情報は伝わるようになっています。しかしウェブサイトはこれだけ見たら情報が伝わるという一覧性のものを置くことが難しいため、情報量が多くなりすぎると本当に必要な情報が伝わりにくくなってしまう気がします。モバイルサイトなどは、基本的な情報が限定的に入っていてかえって見やすいなと思います。

アライド:ユーザーへの配慮をすると携帯は載せる情報も限定しますし、コンテンツもできるだけ少ないようにしますよね。

桑原:あまり文字数も多く取れないので簡潔なものとするよう意識します。

坂崎:ウェブサイトは自分のブログのようにどんどん伝えたい情報だけを掲載してしまう恐れがありますが、CMSを導入したことによってそれが顕著になってしまいました。市民の方が必要とする情報が的確に見つかるように、コンテンツをどのように減らせばいいか、古い情報はアーカイブにした方がいいのではないかなど、検討を進めています。

アライド:全ての情報をオンライン上に公開するのではなく、古い情報などはリクエストがあれば提供できるという案内だけを載せて、情報自体は非公開にしてしまう方法ですね。

情報は公開した段階が出発点

アライド:最後に、次のステップとしてどのような取り組みをお考えですか?

坂崎:これまではウェブサイトに情報を用意し、それを全ての人に伝えることを一番の課題としていたのですが、今後はいかに伝えるか、わかりやすく伝えるかが課題です。

桑原:平成19年度に区のホームページを立ち上げましたが、区によって情報量に差が出ています。区の行動計画の中で、区としてウェブサイトを使ってどのような情報発信をしていくかを決めている区もあります。区の職員がより市民生活と密接につながり、市民の生のニーズを把握できると思うので、各区のホームページから得られる情報を参考に、市もより市民のニーズを把握するようにしていきたいと考えています。

坂崎:区に限らず、各職員がウェブサイトを使ってそれぞれの事業についてどんな広報戦略をとるか、いかに情報を分かりやすく出していくかという意識を持てるといいですね。

桑原:その意識づけができれば、ウェブサイトで提供する情報が、どんどん洗練されていくだろうと思います。

アライド:名古屋市さんのサイトは、弊社が2006年から実施している自治体サイト全ページクオリティ実態調査で3年連続「Aレベル」を取られていますが、今お二人がおっしゃたような発展的な話を検討できるのも、一定のアクセシビリティ、ユーザビリティレベルを達成できているからでしょう。以前はサイトのクオリティ向上が検討課題の中心であったけれども、それが達成できたら市民に必要な情報を的確に出すという観点からコンテンツのクオリティの話になるのですね。

桑原:4月からゴミ袋の有料化が全市で始まりましたが、最初は中身がなかなかわかりにくかったページが、市民の方からのコメントをもとにページの内容を充実させたり、さらに別のページを作成したりして、だんだん成長してわかりやすくなっていきました。情報は公開した段階が出発点であり、そこからどうブラッシュアップしてわかりやすい中身にしていくかを、もっと意識的に検討しなければならないと感じています。

アライド:今後の名古屋市さんのお取組みに注目していきたいと思います。どうもありがとうございました。


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