第7回「サイト全体で品質改善を目指した川崎市ホームページのリニューアル」(前編)
[ 2013年6月13日 ]
ゲスト
川崎市市民・こども局シティセールス・広報室
高石佳明さん
1-4. 探しやすさ改善のために、全ページを対象に情報分類を見直し
アライド:複数の調査から明らかになった様々な問題点を踏まえて、どのような改善方針を設定されたのでしょうか。
高石:各種調査から「使いづらい、わかりづらい、情報にたどり着けない」ということが大きな課題であることがわかりましたので、この課題を改善することを重視しました。公共機関のホームページとしては、多様な利用者の使いやすさを担保しなければならないので、見た目の良し悪しよりも、まずアクセシビリティ(誰もが使えること)やユーザビリティ(情報が探しやすいこと)の確保を優先しました。
アライド:探しやすさを改善するために、全ページを対象に情報分類の見直しを実施されました。約65,000ページという大規模なホームページの情報分類を見直すうえでは、特にどのような点で苦労されたのでしょうか。
高石:情報分類の見直しは色々と苦労がありました。見直し案の検討はExcelを使って行ったのですが、サイト全体となるとページ数が多いため特に大変でした。試行錯誤した結果、プロジェクトチーム内に主体的に見直し案を検討する担当者を設け、その結果を他のメンバーが確認していくというやり方にしました。ホームページの情報を体系化する作業は「みんなで考えましょう」という方法ではうまくいかないことがわかりました。
1-5.利用者ニーズに基づくトップページの検討

川崎市旧トップページ
アライド:旧トップページについては、「ユーザビリティ診断」で情報量、情報整理の方法について問題を指摘させていただきました。また、利用者からも多くの情報が詰め込まれているといった問題指摘がありました。
高石:リニューアル前のホームページでは、庁内の様々な要望に対応していく必要があり、どうしても情報が増えてしまう傾向にありました。
アライド:サイト構造設計を検討した際に、トップページの上部・下部・中央部等の領域の定義や、配置してよい情報項目の数等を細かく決めましたね。
高石:おかげでリニューアル後もすっきりとしたトップページを維持することができています。
アライド:トップページ設計の検討では、アンケートやインタビュー調査で、各区のホームページへのアクセスがしにくいことが指摘されていたことを踏まえて、区ホームページへの誘導を重視しました。
高石:リニューアル後はアクセスログ解析を定期的に実施していますが、区ホームページへの導線を強化したことが効果をもたらしていると実感しています。事前準備の段階で設計書を作成していたことによって、デザインの検討や、庁内でトップページ変更の意図を説明する際に、拠り所として活用することができました。