第7回「サイト全体で品質改善を目指した川崎市ホームページのリニューアル」(前編)
[ 2013年6月13日 ]
ゲスト
川崎市市民・こども局シティセールス・広報室
高石佳明さん
1-3.全ファイルの解析、アンケート調査等を通じて課題を具体化
川崎市では、リニューアルの実施年度の前(平成22年度、23年度)に、リニューアルの事前準備(各種調査や改善案の検討等)を実施されました。
リニューアル事前準備の実施内容
アライド:事前準備の最初の作業として、ホームページの基本的な状況を把握するために川崎市ホームページの全ファイル(HTML、PDF等)の解析注2を実施されました。結果をみてどう思われましたか。
高石:ホームページに問題があるということは感覚的にはわかっていたのですが、どの様な問題がどれくらいあるのかということを数値化した形で知ることができました。特にホームページ全体や部署ごとのファイル数と問題の数が把握できたので、改善計画の基本的な情報を得ることができました。
アライド:川崎市民や職員の評価や改善要望を把握してホームページ改善の拠り所とするために、それぞれを対象にしたアンケート、インタビューの取り組みを実施されました。
高石:ホームページに特化した調査を実施しましたが、一般利用者アンケートについては、日頃からホームページを使っている利用者だけではなく、利用したことがない市民も含めて幅広い層を対象として実施したため、様々な意見を聞くことができました。職員アンケートは、全庁的にアンケートを実施しました。一般利用者が感じている課題を職員も感じていることがわかり、それぞれから指摘されている事柄が共通の課題であることを確認できました。
アライド:リニューアル前にホームページの現状に対する様々な調査を実施されたことは、その後どのように役立ったのでしょうか。
高石:以前、他のシステム開発に携わっていた時は、システムを作りながらドキュメントを作っていき、それを結果として庁内に周知するという方法が主流でした。今回は開発作業に入る前に、事前準備として問題点・課題の分析をまとめ、それらを基に改善案(情報分類、サイト設計、デザイン等)の拠り所としました。その意味で、改善案を検討する上で何が問題で何をすべきなのかという方針を一貫して維持し続けることができました。
注2ウェブサイト解析プログラム「CRONOS2」を使用し、公開しているファイル数や、ウェブアクセシビリティをはじめとするサイト全体の問題点を、サイト全体、部署ごとなど複数の観点で分析した。