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第12回「3年半かけて取り組んだ姫路市公式ウェブサイト全面リニューアル」(前編)

[ 2020年3月6日 ]

ゲスト
姫路市 市長公室 広報課
課長 松本美樹さん
係長 神脇英司さん



リニューアル事前準備

アライド:2019年9月にリニューアル公開されましたが、2015年、2016年あたりからリニューアルに向けた検討を始められたとお聞きしています。今回のリニューアルにあたっての経緯やきっかけ、例えばサーバーの更改とかがあるからどうしても、というような場合もありますし、色々な理由があるかと思いますので、その辺を少し教えてください。

神脇:私がホームページの担当になったのは、2016年の4月からですが、この時、当時のCMSが2年後の2018年の9月末でリース終了ということでした。2年かけて準備していけば余裕でリニューアルできるかな、という考えでした。

アライド:なるほど。当時のCMSを入れ替える前提ということですか。

神脇:そうですね。

アライド:それは使い勝手の問題などが出てきていたからですか。

神脇:はい、使い勝手もそうですが、CMS機能の機能不足や職員がソースを直接触ってメンテナンスしたり、手間がかかっていました。

アライド:実際に2018年時点で当時のCMSの問題というのは、職員の方からも聞こえていた話ですか。

神脇:そうですね。自由度が高すぎて何でも出来たので、ページを作っている職員自体、機能を全て把握していない状況でしたね。よく機能についての問い合わせがありました。

アライド:リニューアルに向けた準備を、2016年にご担当になられて、その年すぐに始められたということですよね。時間的には、公開まで3年以上あると思います。2016年から始められたというのは、2018年に間に合わせるということも考えられたと思いますが、それにしても、多くの自治体の例では、もう少し直前に検討を始められる例をよく聞きます。時間をしっかりかけられた理由はありますか。

神脇:私は以前システム担当の部署にいたのですが、システム開発的な考えから、まず下準備から始めようと思いました。2016年4月、5月くらいから、CMSのRFI(CMS機能情報提供依頼等)を始めました。

アライド:対象というのはどこですか。

神脇:公募しましたので、広くという感じですね。

アライド:CMSのベンダーさんとかですね。

神脇:そうです。2016年の前期にRFI等で情報を集めて、後期から仕様書の作成も始めて、2017年中に作成して、2018年の最初に提案、プレゼン評価を行なってリニューアル事業者を決め、半年くらいかけて移行と運用テスト、10月にリニューアルできばいいかな、という漠然としたスケジュールでした。

アライド:そういう大きなスケジュールを、2016年の早い段階で立てられたと。そうすると、実際にそのスケジュールでいきましても、仕様書をまとめていかれるまでに、1年以上の時間があるわけですが、その期間にどのようなことをおやりになったのか、もう少し教えていただけますか。
準備の段階で仕様書を作る際に、1番力を入れられたところというのはどの辺になるのですか。

神脇:当時運用していたCMSの状況が全く分からなかったので、まず稼働中CMSについて情報を集めるということと、他のCMSの機能調査、また実際にCMS機能について、できるだけ多くのデモを見るというところに力を入れましたね。

アライド:そのデモ、というのは、色々な候補となる他のCMSのことですね。
今おっしゃった、当時使われていたCMSの機能を含めた色々な情報を確認する意味というのはどういうところにあったのですか。

神脇:ITの世界というのはすごい進歩が速いじゃないですか。となると、その進歩に合ったシステムが開発されているはずですので、そのあたりの情報を集めるというところですね。時代についていく、という形ですけど。とりあえずは現状把握をしたというところです。

アライド:当時使われていたCMSというのが、どういう機能を持っていて、どういう機能が不足しているかというところを把握すると同時に、最新のものを調べて、比較をしてみたということですね。結果的にはどうでしたか。以前使われていたものと、お調べになったCMSとの違いというのは結構ありましたか。

神脇:結構あったと思いますね。デモを見るだけでも今はこの機能が主流なのか、こっちのCMSの方が使いやすそうだな、という感触のものはいくつもありました。

アライド:当時使われていたCMSを、最新バージョンに上げるという選択肢はなかったのですか。

神脇:それはなかったですね。

アライド:それは他のCMSをご覧になって、やはり基本的な機能の違いなどがあったということですか。

神脇:それもありますけれども、CMSをリニューアルするにあたって最も重視していたのが、保守の手厚さというところです。当時の保守は、レスポンスが遅いことがあり困りました。

アライド:レスポンスが遅い、とおっしゃったのは、問い合わせに対しての回答等ですか。

神脇:それを含めて、ですね。これをこういう風にできないか、と問合せた場合、数日後にこれだけ金額がかかります、と言われてしまい、「それって保守の範囲でできないの?」というところがまず疑問でした。

アライド:神脇さんがご担当になる前、随分昔のことになるので、致し方無い部分があると思いますが、保守の範囲が明確ではなかった、ということもあるのではないかと思います。

神脇:それもあったと思いますね。

アライド:今回は、仕様書作成のところで、そのあたりの記述をしっかり詰めておやりになられたということですね。

神脇:その通りです。運用支援と保守の項目を仕様書に盛り込みました。

時間をかけて情報分類の見直しを行う

アライド:CMSの調査の他にこの長い時間の中で、重要視された点があれば教えていただけますか。

神脇:事前準備作業に時間をかけました。

アライド:今回、事前に設計をしっかりまとめるということに時間を割かれていると思いますが。

神脇:そういう意味では、情報分類の見直しとCMS機能の検討ですね。

アライド:情報分類の見直しにあたっては、どういうところを一番改善していこうと考えられたのですか。

神脇:以前のウェブサイトの構成が、組織ごとにページが全部紐づけられている状態でしたので、利用者の利便性を考えると、情報カテゴリーごとに紐づけていくのがいいなということで、そのあたりを全部見直しました。

アライド:これは結構時間が必要だったと思います。ご苦労があった点を教えて下さい。

神脇:これは本当に時間がかかりましたね。ログ解析から分類階層の検討や、1ページ1ページ確認しながら新しい分類にページを紐付ける作業に時間がかかりました。

アライド:組織ごとというのを、さっきおっしゃった情報カテゴリー別にするのって、一から作り直すという感じですよね。この辺は、担当課の方との関係も出てくるのではないかと思いますが、その辺はどんな風に話を進めていかれたのでしょうか。

神脇:リニューアルをするということは担当課の方には早めに(2016年の秋頃)伝えていましたので、広報課で作った分類案のリストを、担当課に示して、修正があれば言ってくださいという調整をしました。この確認作業はプロポーザルを行う1年前の2018年の夏に実施しました。

アライド:これはお話しにくいかもしれないですが、担当課の方のご協力というのは、業務の中でということなので、中々難しい点もあったと思いますが、その辺は実際にはどうだったのでしょうか。

神脇:とても積極的に協力してくれたところもありますし、照会しても回答のないところもありました。

アライド:部署の数も多いですしね。全般的に、リニューアルにあたって、担当課の方のご協力というのは、事前準備の段階から出てきているのですが、比較的協力していただいたのか、さっきおっしゃったように部署によって全然違うのか、全体的な印象としてはいかがですか。

神脇:全体的にみれば、たくさん協力してもらったな、というのを感じます。この協力がなければここまで出来なかったと思います。

アライド:姫路市様も全庁的に、リニューアルに向けていこう、という動きはあったということですね。それはとっても素晴らしいですよね。担当課の協力がないと中々難しいと思いますね。

広報課で方針を定め、ページ数を3分の1に削減

アライド:姫路市さんのサイトというのは、元々ページ数が非常に多かったサイトだと思います。事前準備の分類・設計を見直す、特に組織ごとを情報カテゴリーに見直されるということの他に、ページ数を削減するとかそういうことは実際におやりになられたのでしょうか。

神脇:そうですね、ありました。このあたりはですね、2016年に、アライドさんのセミナーに初めて参加した時、「A.A.Oウェブサイトクオリティ実態調査」の結果を聞きに行った時ですね、その時に姫路市のサイトが37,500ページくらいあるというのと、アクセシビリティの対応が全然できていないため、9段階評価で一番下のI評価をいただいたというところで、すごい危機感を覚えました。その後すぐに研修を依頼し、研修の際に「担当課でアクセシビリティに対応しないといけないこと」、「公開しているページで必要なもの、いらないものを分けてください、分けたものに対して、期限を設けていらないページは全部広報課で一括して削除します。」という通知をして、ページの削減を図りました。

アライド:今のお話で言うと、ページ削減というのを、最初に取り掛かられたということですね。

神脇:そういうことになります。

アライド:我々のセミナーでもいつもご紹介していますが、情報分類を見直す際には、まず情報分類の対象を決める必要があります。さっきおっしゃっていただいた、組織ごとから情報カテゴリー別に変更していく作業を行う前にページ削減をやっておかなければいけません。そういう意味でも早く取り掛かられたことは重要です。実際にはどのくらい削減をされたのでしょうか。

神脇:現在のページ数でいくと、CMSの中で管理しているページで8,500ページくらい。管理外で置いているのが3,700ページで、トータルで12,000ページくらいだったと思います。2016年のページ削減前が37,500ページですから、1/3くらいになりました。

アライド:すごいですね。それを、この事前準備の段階でほぼ実行された、ということですね。これは、相当ダイナミックな試みだと思いますが、実際に、本当に担当課の方というのは、抵抗はなかったのですか。

神脇:多少ありましたね。

アライド:でも、結構うまくいったのですね。

神脇:広報課で方針を決めて、「3年以上前のものは全部消しますよ、削除するページはこれでいいですか。」と照会をかけましたので。

アライド:広報課さんの方で、「やるぞ!」「いいよね!」みたいな「YESかNO答えて」みたいな感じですよね。そこまではっきり聞かないと、「いらないものがあったら削除してね。」ではちょっと、こうはいかないですよね。

松本:担当課に任せてしまうと、全部必要だということになってしまいますので。

アライド:広報課さんで、「これだけ削減するよ、不都合があったら言っておいで。」というような感じですよね。分かりました。それにしてもすごい。

アライド:また前後して申し訳ないのですが、これだけページを削減されたということは、運用、あるいは全体の品質等に効果はありますか。

神脇:あると思いますね。ページが少なくなればアクセシビリティに対応する箇所も減りますから。

アライド:やはりアクセシビリティはページ単位で全部きれいにしなくてはいけないので、相当な効果があるのですね。

神脇:ページを削減するというのは、アクセシビリティだけではなくて、移行費用にも影響してきますので、そのあたりのことを考えるとページを削減できてよかったなと思いますね。

アライド:確かに移行費用は、本当におおざっぱに言えば、ページ数に比例して1/3になる可能性があるくらい違うということですものね。

松本:予算が前提としてありますから。

アライド:もしかしたら、リニューアルで一番コストを下げるには、ページを削減するというのが一番かもしれませんね。

神脇:それが一番効果的だと思いますね。

 

第12回「3年半かけて取り組んだ姫路市公式ウェブサイト全面リニューアル」(中編)

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