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レポート 公共サイト運営の最前線
第2回「CMS導入プロジェクト成功の秘訣 ~三鷹市公式ホームページの経験から~(前編)」

[ 2009年5月22日 ]

ゲスト
三鷹市企画部秘書広報課
広報係 主査 今野 聡さん



業者選定までに最低1年の検討が必要

アライド:今回の三鷹市さんのリニューアルプロジェクトでは、実際にリニューアル委託事業者の選定を始めるまでに、事前の検討期間をどのくらいかけられたでしょうか。

今野:1年間です。

アライド:準備期間は1年あれば十分でしたか。あるいはもっと短くてもよかったとお考えですか。

今野:最低1年は必要だと思います。三鷹市の場合、リニューアル自体は平成20年度でしたが、具体的にリニューアルに向けた検討は19年度に行いました。18年度にも障害者・高齢者を対象としたホームページのユーザ評価や、ほとんどの職員を対象とするウェブ・アクセシビリティの研修を実施しており、それがリニューアルを考えるきっかけにもなっています。そこまで含めると事前検討に1年半から2年間かかったということになります。

コンテンツの移行作業の品質について事業者との認識の違いを埋めるのに苦労

アライド:今回のリニューアルでは、以前から運用されていたCMSの入替えをされましたが、CMSの入替えについて重視された点や、苦労された点などについてお聞かせいただけますでしょうか。

今野:CMSの入替えでは、コンテンツの移行作業について、我々と事業者さんに大きな認識の違いがありました。当初、事業者さんからコンテンツの移行に2ヶ月程度しかかからないというスケジュールを提示されましたが、我々は半年程度は必要だと考えていました。なぜなら移行作業には事業者の色々な方が参加されますので、アクセシビリティの確保などサイト全体で一定レベルの品質を求めようとすると、かなりの期間が必要になると思ったからです。新しいホームページのHTMLのテンプレート(雛型)ができた時点で、一度アライド・ブレインズさんにアクセシビリティのチェックをしていただきましたが、あの時点でチェックをし、改善を要求したというのは事業者にとっては少し想定外で改善に苦労していたようです。

アライド:三鷹市さんが要求しているレベルはこんなに厳しいとは思っていなかったということでしょうね。

今野:はい。例えば、古いホームページの中で、非常に縦に長い表があった場合、なるべく分割して新しいホームページに移行してくださいといった話をしました。事業者さんにとって、古いホームページのコンテンツをそのまま新しいホームページにコピーするのではなく、改善しながら移していくという対応は結構大変だったのではないかと思います。

アライド:市民や職員の方の使いやすさといった観点では、三鷹市さんの要求は普通のことであって難しいことではないでしょう。ただし、事業者さんからしてみればなぜそこまでやるのか、というギャップがあるということなのでしょうね。

今回の移行作業では、初期の段階で我々もテンプレートをチェックさせていただきましたが、あの段階でやっていなければ、その後の作業は取り返しのつかないことになっていた可能性があると思いますか?

今野:あの専門的な観点からのチェックがなかったら、テンプレートに必要な基準があいまいになって、その後の作業に影響があったのではないかと思います。ですので、事前に事業者さんに提示するアクセシビリティの対応基準を定義しておくことと、かつそれらにきちんと対応できているかを初期の段階でチェックするという組み合わせが大事ではないかと思います。

仕様書や対応基準書に基づいてリニューアルの目的や求める品質を事業者に繰り返し確認

今野:事前に事業者向けにアクセシビリティの対応基準書を用意しておいて提示しました。これ以上は譲れないという基準をあらかじめ用意してあったことは非常に意味があり、これがなかったらもっとなし崩し的になっていたでしょう。やはり一人ひとりの移行作業者は、仕様書やアクセシビリティ対応基準書などを提供していても、きちんと読んで作業をしているかというと、そうではないようです。プロジェクトを進めていく中で、三鷹市から要求したものを事業者さんが理解していない場面が結構あったので、その場その場でかなり強く言っていきました。

あまりに仕様書や対応基準書に沿っていただけないことが多く、途中で心が折れそうになったときもあるのですが、我々が要求したのは市民本位のホームページを真の形で生み出したいということだったので、そこは妥協しないで「やる」という姿勢を強く持ち続けました。事業者さんから、「こんなことは必要なんですか」と聞かれた時に、「三鷹市のホームページのリニューアルの目的とは何ですか」と尋ねると、事業者さんは「市民にとって使いやすくわかりやすいホームページにすることです」と答えます。「そうですよね。事業者さんにとっては、CMSの導入が目的なのかもしれませんが、市民にとっても、我々にとってもそうではありません。今やってほしいと言った項目はリニューアルの目的を達成するために必要な項目です。もう一度、リニューアルの目的を考えてください。そうしたら答えはどうなりますか?」と言うと、「おっしゃるとおりです」となるわけです。「それでは、やるしかないのではないですか。」というと「そうですね、わかりました、やります。」となります。この繰り返しでした。やはりプロジェクトを進めていくうちに、どうしてもリニューアルの目的がどんどん小さくなってしまうのだなぁと思いました。

アライド:今野さんがそのように何度も事業者さんに説明して、その時は理解されても作業は要求通りに進んでいないのでまた説明する、という繰り返しをしていると、確かに気持ちが折れそうになりますよね。

今野:そうですね。でもそこは根気強く、市民のために使いやすくわかりやすいものができなければプロジェクトは成功にならないという強い信念がこちらにありましたので、作業のたびに繰り返し話をしました。

コンテンツ移行は十分な期間を確保することが重要

アライド:そういう事業者との根気強いやりとりが必要となることを踏まえても、移行作業そのものに半年は絶対必要だったということですよね。

今野:はい。事業者さんはどうしてもCMSの設計などに注力してしまい、コンテンツの移行というのはその他のおまけのような感じになっている気がしました。いろいろな部署が作ってクオリティがバラバラだったページを、リニューアルを機に一定の基準に合わせていこうという時に、ただ単に右から左にコンテンツを移せばいいのではなく、事業者さん側も求められている基準を理解することが必要でしょうし、移行されたページがそれを満たしているかを検証するための期間が必要なのではないかと思います。


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