レポート　公共サイト運営の最前線
第2回「CMS導入プロジェクト成功の秘訣　～三鷹市公式ホームページの経験から～（前編）」

アライド：リニューアル、CMS入替えプロジェクトを振り返って、今野さんご自身としては満足いくレベルに達したと思われますか？

今野：実はかなり日程が立て込んでおり、細かいチェックまでは全部しきれなかったので、それをしっかりやりたかったという思いがあります。でも、事業者さんと色々な話をする中で、アクセシビリティ上問題となりそうなページについては事業者さんの方から「こういうのはどう対応したらいいですか」と聞いてきてくれるようになり、それについて議論しながら対応できたのは良かったと思います。

アライド：そこまで色々な苦労をされて、時間をかけられても100点満点にはなかなか難しいということは、それほどやはり移行作業というのは難しいということなのですね。

今野：難しいですね。プロジェクト自体、一生懸命やろうと思うと本当にいろいろな事をやらなければならず、「こんなにいろいろな事があるんだな」と思いました。その一つ一つが私にとって初めての事でした。

今野：事前にアライドさんから、CMS事業者のプロジェクトの進め方には色々問題があるから注意が必要とのお話を聞いていましたが、半信半疑だったんですよ。でも、うかがった話はことごとく現実でしたね。例えば移行作業には1、2ヶ月しかかからないというスケジュールを出してくるような事業者さんは、移行について真剣に考えていないと言われましたが、本当にその通りでした。また、事業者はCMSの設計が目的となってしまうので、そこに入り込んでいってしまわないようにいつも当初のリニューアルの目的に立ち返ることが大事ですよ、と言われましたがこれも本当にその通りでした。リニューアル後にお問い合わせいただいた自治体さんにも、「生半可な形でやったら痛い目にあうので、これからリニューアルを始めるのであれば、事業者さんペースとならないように準備された方がいいですよ」とお話しています。

アライド：今回三鷹市さんの場合は色々な準備がしっかりできていて、拠り所となるリニューアルの目的や事業者向けに提示する基準もありました。それらがあったので、プロジェクトの途中で問題が起きても、リカバリーができたのだと思います。そういうものがなかったらボロボロになっていた可能性はありますよね。

今野：例えて言うなら、何の準備もなく試験会場に来て「こんな問題が出た、あんな問題が出た」となってしまうようなものです。しっかり試験勉強してから本番に臨む、ということと同じような話なのではないかと思います。