第7回「サイト全体で品質改善を目指した川崎市ホームページのリニューアル」(後編)
[ 2013年7月9日 ]
ゲスト
川崎市市民・こども局シティセールス・広報室
高石佳明さん
2-3.リニューアル公開はホームページ改善のスタートライン
川崎市新トップページ
アライド:色々なご苦労もありましたが予定通りの期日にリニューアル公開されました。リニューアルの成果をどの様にとらえていますか。
高石:アクセシビリティに配慮したホームページにリニューアルできたことが第一の成果だと思っています。ただし、これでホームページが完成したとは思っていません。これからより良くしていくためのスタートラインに立ったと思っています。
アライド:リニューアル後の課題はありますか。
高石:情報分類の見直しが必要な箇所がまだありますので、日々の運用の中で見直していく予定です。また、公共機関のホームページにとっては、誰もが利用できるようにするという意味でアクセシビリティの維持向上が一番重要です。リニューアル後は、視覚障害者の職員が音声読み上げブラウザでページをチェックして、問題が明らかになった場合は、所管課に修正依頼を行なっているところです。
2-4.品質維持向上に向けた定期的な取り組み
アライド:リニューアルに向けた取り組みの一環として、職員の意識啓発を目的とした職員研修を行われましたが、どのような目的で行われたのでしょうか。
高石:CMSの操作研修とは別にアクセシビリティに関する職員研修を実施しました。CMSの操作だけでなく、アクセシビリティ対応の必要性について職員が理解していないと品質の向上につながらないと思います。ですから、異動や採用のタイミング等で繰り返し実施していく必要があると思います。
アライド:リニューアル後に、CMS保守業者と定期的に実施されている運用会議の役割について教えて下さい。
高石:区、交通、教育、外国語等、各個別サイトの管理者と情報共有のために月例で実施しています。運営ルールについて周知したり、個別サイトの要望を集約する場にしています。
アライド:大変重要な取り組みだと思います。他団体では、リニューアル公開以後、CMS保守業者と定例で会合していないという例もあります。また、様々な部署の担当の方が集ってホームページ改善について議論を続けていくことの意味は大変大きいと思います。
高石:システム開発ではよくやっていることですが、ホームページもシステムで動いている以上、何らかの課題がありますので、課題の共有や改善の進捗状況を把握するために必要だと思います。
運用会議の風景
アライド:こういった取り組みを定着させていくには時間がかかりますね。
高石:自治体は人事異動があるため知識の定着が課題だと思っています。公共機関ホームページのあるべき姿や、川崎市ホームページがどういう経緯で今の姿になっているのか等を業務の最低限の基礎知識として引き継いでいく必要があると思います。