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第12回「3年半かけて取り組んだ姫路市公式ウェブサイト全面リニューアル」(中編)

[ 2020年3月6日 ]

ゲスト
姫路市 市長公室 広報課
課長 松本美樹さん
係長 神脇英司さん



リニューアルプロジェクト

アライド:いよいよリニューアルプロジェクトに入っていくわけですが、事業者選定にあたって、迷われたというか、こっちがいいじゃないか、あっちがいいじゃないか、ということがありましたか。それとも、比較的ここがいいだろうと、あまり揉めることなく決まったのか、その辺はどのような様子でしたか。

神脇:提案書を見た段階では、ここかな、というところはありましたね。

アライド:やはり大きな違いはありましたか。

神脇:ありましたね。提案書の内容でPRするところを間違っていたり、仕様書の要件を満たしていない、曖昧な表現というところもありました。

アライド:あまりこの話をしてしまうと、事業者さんに余計な情報を与えてしまうことになりかねませんが、そこにあまり踏みこまない程度で、公共機関の参考になる、こういうところは評価した方がいいよ、とか、こういうところはダメだよ、というのがあれば教えてください。

神脇:姫路市の場合は、要求を正しく理解しているいい事業者があったのですが、要求を正しく理解する、その点は重要ですね。事業者との意思の疎通が図れないと意味がありませんから。

アライド:仕様書をしっかり理解していないところはダメだとか。そういう意味では、さっき仕様書をかなり手厚くしっかり、ある意味では読み込まなければいけない仕様書になっていたと思うんですけれども、そういう仕様書であるからこそ、その違いが出たということですね。仕様書大事ですね。

神脇:本当に大事ですね。70ページぐらいありましたから読み込むのは大変だと思いますが。

アライド:審査を考えても、さっきの神脇さんのお話からすると、仕様書をいい加減にしていくと、審査もいい加減になってしまうという、そういうことですよね。

神脇:どの事業者も同じように見えて、違いが分からなくなると思います。結局デザインの見た目で選んでしまうと思います。

アライド:確かにそうなりやすいですよね。提案審査にはプレゼン審査も入っていますが、プレゼンでの違いというのはありましたか。

神脇:ありましたね。プレゼンの進行ですね。発言の内容にちょっと矛盾があった事業者もあったので、そこはダメかなと。

アライド:プレゼンで説明されている内容そのものに矛盾があるとか。それももしかしたら仕様書の読み込みが不足していたというのはあるかもしれませんね。
保守を気にされていたことについて、プレゼンを通して、本当に信頼できる方なのかどうか確認されたと思います。その為に、今回のプロジェクトのマネジメントをする人自身がプレゼンをすることを求められたと思います。そこで、姫路市と上手くやれるかどうかを確認された、ということですね。その辺の違いもありましたか。

神脇:ありましたね。プロジェクトマネージャーの説明の仕方や質問への回答内容・答え方を見ました。質問に対して違う回答をする、質問を理解できていないなんてこともありましたね。


プロジェクトの進行にあたって特に注意したこと

アライド:プロジェクト全体を通じて、色々事業者さんにやっていただかなくてはいけないことが出てきますが、プロジェクトの進行にあたってですね、特に注意されていたことはありますか。

神脇:やはりスケジュールですよね。姫路市としては、当初、リニューアルが10月1日という話で進んでいたのですが、その1か月前には全部終わるような形で余裕を持ってリニューアルできるように、って事業者に最初に頼んだことですね。

アライド:それは、実際にスケジュール通りに進行していったのですか。

神脇:全体的にはスケジュール通りに進みました。多少ずれ込んだところはありますけれども、その分余裕を持って作業をしていたので、全くリニューアルへの影響はなかったですね。

アライド:それは、姫路市さん側がスケジュールを事前に自分たちで立てられて、なおかつそこに余裕の時間をちゃんと組み込まれていたということですよね。事前準備作業で行なった情報分類とかサイト構造設計の話、リニューアル方針を姫路市側が立てたという話と共通するのかもしれないですけれども、スケジュールも、姫路市側でしっかり立てた上で進めていくということですね。

神脇:そうですね。

アライド:余裕を持っておかれたというのは、良かったですね。色々な公共機関さんが短期間で、詰め詰めで、事前準備も行わずにリニューアルプロジェクトに入るという例が多いですよね。そうすると、スケジュールはしっかり注意されたと。他に何か注意されていたところはありますか。

神脇:あとはプロジェクト計画書とかの計画書ですね。

アライド:事前にプロジェクト全体の計画書を作る、ということですね。かなり高い割合で、多くの公共機関さんが、プロジェクト計画書を作らずに、リニューアルプロジェクトを進められることが多いですね。今回、プロジェクト計画書は、姫路市さん側として事前に自分たちで作っておかれた、ということですよね。姫路市側が作成したプロジェクト計画書を持っておいて、事業者さん側の計画を確認するということですね。

神脇:事業者が決まってから、姫路市が作成したプロジェクト計画書案と事業者が作成したプロジェクト計画書案を比較して1つ1つ確認しながら作成していきました。最終的にプロジェクト計画書を合意するまでに結構時間がかかりました。1か月程度かかりましたからね。

アライド:事業者さんを選定した後、実際に事業者作成のプロジェクト計画書が、姫路市として納得のいくものになるまでに1か月程度、いや、もう少しかかったかもしれませんね。やはり、プロジェクト計画書をきちんと固めてからリニューアルプロジェクトを始めた意味というのは大きかったですか。

神脇:大きかったと思います。

アライド:一番何に影響がありますか。

神脇:やはり事業者のやる気ですかね。

アライド:最初のプロジェクト計画書をまとめる段階で、相手のプロジェクトマネージャーの方が少し頼りなかったですからね。
プロジェクト計画書がまとまって、その計画書に基づいてリニューアルプロジェクトを進めて、時間が経つうちに変化はありましたか。

神脇:良くなったと思います。

アライド:変な言い方ですが、プロジェクトの中で、発注者側(姫路市側)が、事業者さんを鍛えるって言ったら言葉悪いですけれども、育てるというか、そういう面も私はあるべきじゃないかと思います。事業者さん側は、自治体の業務が分からないことをお互い認識することも大事だと思います。姫路市さんが今回はこうしたい、というのを事前にまとめておられましたが、それを本当に腑に落ちる形というか、「あ、姫路市さんはこうやりたいんだ。」ということを本当に理解してもらうまでって時間がかかりましたよね。

神脇:かかりましたね。

アライド:でも逆にそこをしっかり理解をされた後は、すごく順調でしたね。

神脇:そうですね。特に大きな問題もありませんでした。

アライド:毎回リニューアルプロジェクトで大きな問題になるのが移行作業ですが、移行作業で気を付けられた点というのはどういうところがありますか。

神脇:ウェブアクセシビリティの対応と、移行ルールの作成というところですよね。

アライド:移行ルールとおっしゃったのは、移行の前に固めておくということですよね。

神脇:そうですね。移行ルールは移行作業を始める前に作成しました。

アライド:それは姫路市さん側が、このルールだったら大丈夫だろう、という、さっきの計画書じゃないですけれども、事業者が提示する移行ルールを確認した上で移行作業を始める、ということですね。

神脇:そうです。移行作業が始まれば、想定していなかった、移行ルールにないものが出てきますから移行ルールは常に更新していました。

アライド:アクセシビリティ対応について、事前準備の段階で、姫路市としてできることを対応されていましたが、リニューアルプロジェクトの中で、事業者さん側にやってもらうのがいいものと、事業者さんにはできないことがあると思います。そこの切り分けが難しいですね。他の自治体の例では、「AA準拠すること」と一行仕様書に書き入れて、後は事業者に丸投げがよくあるみたいです。その辺の役割分担というのはどのように考えていらっしゃいましたか。

神脇:中身に関わってくるようなところ、日付とか画像のalt属性とかっていうのは職員しか判断ができないと思います。システム的なところ、見出しとか、箇条書きとか、表を工夫して、とか、そういったところは、事業者の方でやってもらったというところですね。

アライド:表組みのところの、どう表を組み替えるかっていうところはどうでしたか。

神脇:そうですね。複雑な表は一応姫路市に相談して、単純な表は、見出しと本文と分けて、出来るだけ表を使用しない様にしました。

アライド:このパターンはこう変えて、と言えるところはそうしてもらって、そうじゃないところは都度確認してもらって。そういう切り分けもしっかりしなきゃいけないということですね。

神脇:そうですね。ページの内容を理解していないと間違って移行されてしまいます。

アライド:よく、何でもかんでもリニューアル事業者さんにやってもらえるんじゃないかと思われていることが結構あるみたいですが、その辺のところは逆にきちんと切り分けてやるっていうことですね。
それは、仕様書の中でも少し謳っていたと思いますが、その段階でやっぱり書いた方がいいですね。

神脇:そうですね。書いた方がスムーズに作業が進みますね。


デザイン

姫路市公式ウェブサイトトップページ

アライド:今回かなり力を入れられた、姫路城をどう前に出すか、というところを含めて、デザイン面のところを色々苦労されたように思いますが、その辺のところを少しお聞かせいただけますでしょうか。

神脇:市の公式サイトの方は、かなり拘りましたね。以前のサイトは、3列構成になっていてかなり複雑で、初めてサイトを訪れた人に対しては、何がどこにあるか分からないという感じでした。せっかく姫路城があるのに全然PRされていない、というところで、姫路城を大々的にPRできるようにしたい、ということと、すっきりした、シンプルでスタイリッシュなサイトというのを目指して、デザインをしました。

アライド:事前準備の段階から姫路城をどうアピールするかという話は方針として立てられていました。ただ実際プロジェクトが進んで、通常はリニューアル事業者さんにデザイン案を出していただくと思いますが、今回はかなり姫路市さん側がデザイン案を出されたと思います。

神脇:提案のあったデザインでは納得できなかったので、もっとシンプルにしたい、スタイリッシュにしたと思いデザインしましたね。手書きでこうゆうデザインにして欲しいとか、自分で書いたイラストを渡してデザインしてもらいました。

アライド:要求事項というか、こんな形で作成して欲しい、とかなり具体的にデザイン案を提示されていました。私も横で拝見しながら、やはり自治体側としてああいう主張はどんどんすべきだなって思いましたが、どうですか。やっぱり思い通りのものにしていくためには、こうするという、拘りを持つべきですか。

神脇:持つべきだと思いますね。でなければPRすることは出来ませんから。

アライド:こんなイメージを作ってきてよ、ではなくて、もっと具体的に、こんな風に姫路城を出したい、という拘りを持たれていました。今回は、狭間デザインをすごく拘られて、とても印象的でしたが、事業者さんも大変だったかもしれませんね。

神脇:大変だったと思いますよ。よく実現してくれたと思います。

アライド:でも、せっかく作るのであれば、自治体側として姫路市はこうしたいんだ、というものを提示して、事業者さん側も納得してもらうものを作るというのは大事なことですからね。

 

第12回「3年半かけて取り組んだ姫路市公式ウェブサイト全面リニューアル」(前編)

第12回「3年半かけて取り組んだ姫路市公式ウェブサイト全面リニューアル」(後編)

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