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第2回 コンサルタント座談会 - アクセシビリティ導入のメリット(前半)
利用者を意識したツール導入

[ 2006年7月21日 ]

執筆担当
伊敷 政英
(いしき まさひで)



SEOと同じくらいアクセシビリティやユーザビリティにも配慮が必要

伊敷:  最近SEOが流行っていますが、SEOに対応するとアクセシビリティにどのような良いことがあるのかを話していただけますか。

長命:  SEOとアクセシビリティは近い部分があります。タイトルをきちんとつける、CSSとHTMLを使って文書の構造と表現を分ける、構造で重視されることは見出しタグや強調タグを適切に使って文章に対して重み付けをするということが、共通性が高い主な点です。SEOは検索エンジンで上位表示をすることでアクセスをたくさん得るということが目的ですが、そこから踏み込んで民間企業が何を求めているかというと、さらにお問い合わせや、ECサイトであれば注文をたくさん受けることというのが最終目的です。その意味で、SEOはそのサイトに呼び込むための手段となります。特に新規ユーザーを呼び込み、サイトの中を閲覧してもらう必要があります。そこでアクセシビリティやユーザビリティが確保されていなければ、いくらSEOで呼び込んでも、最終ゴールである注文などには結びつかないのです。ですから、民間企業でも、ウェブを活性化して注文を受けたり、問い合わせを受けたりしたいのであれば、必ずSEOをやるのと同じくらい力を入れてアクセシビリティやユーザビリティに配慮すべきと言いたいです。

大久保:  おそらくSEOは結果が分かりやすいので、それが無意識のうちに目的にとって代わってしまう。上位にランクされることが目的になるということは往々にしてあると思いますが、本当はその先にこうでありたいことがあるということですね。

長命:  本当は、お問い合わせ数や注文数といった最終結果は分かるはずなのですが、民間のウェブではその検証がほとんどやられておらず、すごく意識の低いところが多いですね。本当は、サイトのアクセス数はどのくらいあって、何パーセントの人が問い合わせをくれたかというところまで、トータルに分析した上でいかに売るかというのを戦略として考えていかなければならないと思います。そこまでいけば理想的なのですが。行政で言うと、住民の方が情報を得るということになると思います。

大久保:  新しいユーザーをいかに獲得するかということに、お金や人、時間を掛けるのはどこも共通でやることなのですよね。元々のお客さんがこうしたいと言うことを達成できるようにしてあげているか、買いたいというところまで意識がいった人が途中で諦めたり、他に関心が移らないように誘導できているかという分析やそれを担保するための努力は、新規ユーザーを獲得することと比べると、わずかな力の入れ方という場合が多いと思うのです。民間企業で言えばお客さんを逃さない、公共で言えば情報が取得できる、サービスが利用できるところまで誘導してあげることの根底なのではないでしょうか。

SEO向上やCMS導入が最終目的ではない、利用者への思いやりを。

目次:  SEOを間違って捉え、あるいはSEOだけに囚われてしまうことによって、アクセシビリティということからするとデメリットなケースがあると思うのですが、それをもう少し説明してもらえますか。

長命:  やり方によっては、SEOは上がっても、アクセシビリティは低下してしまうことはあります。例えば、代替テキストの中に適切に商品のキーワード、例えばバイクだったら「バイク」や「自動二輪」というキーワードを入れるわけです。それによって、検索エンジンは代替テキストも読み込めるので、SEOにもプラスの影響があるし、アクセシビリティも向上する方向に働きます。しかし、例えば、代替テキストの中で「バイク」というキーワードを極めて強いものにしようとする目的で、一つの写真に対して「バイク」というキーワードを20も30も書いて、代替テキストから内容を想像したら、それほどバイクがたくさん走っている写真なのかな、というふうになってしまいます。

目次:  具体的には、読み上げソフトでそこにいくと、「バイク、バイク、バイク」と連呼して「何これ?」となってしまうのですね。

長命:  このような手法は代替テキストだけではなく、見出しタグやタイトルタグの中にも複数のキーワードを入れるということが行われます。これはSEOスパムという行為と紙一重だと言われます。SEOというのは、SEOスパムではないSEO手法をSEOというのだ、という言葉があるくらいぎりぎりなのです。SEOを売りにしている会社でも、SEOスパムを使ってSEOを行なったということが往々にしてありますので、紙一重というところもあるのです。

目次:  SEOそのものやCMSを導入すること自体が目的になっているというのが共通した間違いとしてあると思います。やはり、ウェブサイトは情報を伝えるという根本的な行為において、何のためにという最終目的がはっきりしていないと間違ったところに行ってしまうということですね。もう一つ私が言いたいのは、必ず最終目的が何のためにということと同時に、その目的を達成するために明文化されていない、みんなが情報を取りにくる人達のことを考えた、暗黙のルール、思いやりのようなものを重要視していかなければならないということです。実は、ベーシックな社会基盤の考え方、思いやりみたいなものがないと、アクセシビリティを語れないのではないでしょうか。その意味で、CMSのようなものも、根本的な思いやるという気持ちがあって、しかも決まったルールを守る。先ほどのスパムのように、みんなが良くない行為だということは薄々分かっているけれども、SEOのためにやってしまうというのは、そもそも企業や組織の考え方が間違っているのです。ただ、そのような会社は、結果的に社会から少しずつ消えていくのではないかと、私は思います。

長命:  SEOについてですが、検索エンジンもそのような悪質なスパム行為は排除する方向に向かっていきます。検索エンジンは、検索を行なう人の求めている情報を伝えてあげる、ウェブページをピックアップしてあげるという役割なので、精度を確保して、随時更新して、良い検索エンジンのアルゴリズムに変えているわけです。そのため、ユーザビリティの考え方は崩してはいけないところだと思います。

目次:  検索エンジンはそれこそ、そのものがアクセシビリティに近い。というのは、世界中にはリテラシーの低い人から高い人までがいて、しかもまともに文章が書けない、読めない人が使い始める可能性が高いですね。ですから、てにをはなど多少間違った文章や、多少間違った単語であっても、検索エンジンの方で配慮して、できる限り引っ掛けてくれるような、文章の曖昧検索の精度が上がっています。検索エンジンは商用目的だけに囚われずに、やさしさのようなものがベースになって発展していってほしいですし、そうならざるを得ないだろうと思います。

大久保:  民間のサービスでありながら、あれほど公共的な役割を持ったサービスはないのではないでしょうか。それぞれの人にとっての大切さを含めると、日本ではヤフーを使う人が多いですが、ヤフー無しではウェブに入れないという存在ですよね。それは、民間、公共の区別なく、社会基盤として大切な存在ですよね。

目次:  アクセシビリティという観点から言っても、重要なものですね。CMSやSEOも、所詮ツールなので、結局、アクセシビリティの根本的な考え方の話になっています。CMSの話をしても盛り上がるのは、CMSの技術者が技術論で盛り上がることはあったとしても、例えばアクセシビリティというようなテーマで社会、社会基盤のレベルを語るときに、CMSやSEOといっても、語弊があるかもしれないが、非常に瑣末に、小さな話になってしまうのかな。我々が話すと、結果的にそうなってしまう。だから、大事な話ではないということではないのではなく、常に我々も意識をしてやっていかなければならないということです。

伊敷:  今までの話を聞いて、パソコンの向こうには人がいるのだということをどれだけ想像できるかということが大事だなと思いました。想像力を持って、ウェブの向こうには人がいるのだということを想像できるか大事だと思います。

(2006年5月24日実施)

「第2回コンサルタント座談会」の後半は、携帯などの多様なメディアについて語り合います。どうぞご注目下さい。

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