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災害時の情報受発信
第3回:自然災害に耐えうる社会を作るために

[ 2012年6月8日 ]

寄稿
Cocktailz
伊敷 政英さん


ウェブアクセシビリティに関する調査や講演、執筆活動等を行っているCocktailz(カクテルズ)の伊敷政英さん。先天性の弱視の視覚障害を持つ立場から様々な情報発信を行っている伊敷さんに、東日本大震災以降、視覚・聴覚障害者がどのように情報を得てきたのか、その中で見えてきた課題や、災害時の情報発信の在り方とウェブアクセシビリティの必要性についてお話いただく連載の最終回です。

災害時の情報発信に求められるアクセシビリティ

災害時における情報受発信コラムの最終回となりました。今回はこれまでのお話を踏まえて、自然災害に耐えうる社会を作るための情報受発信やコミュニケーションの在り方について考えてみたいと思います。

これまで2回のコラムで、災害時における情報受発信に大事な要素として「即時性」「アクセシビリティ」「NPOやボランティアなどとの連携」の3つをあげました。

災害時における自治体や公共機関からの情報は、被災者をはじめ報道機関や国民全体が一次情報として利用するため極めて重要です。そのため情報発信には即時性が求められます。しかし情報は伝わって初めて意味をなします。どんなに早く情報を出したとしても、その情報を受け取れない人がいたら意味がありません。携帯電話やスマートフォンから情報にアクセスする人、高齢者や障害者など、どんな環境の人にも届くように情報提供することが必要なのです。それはまさに、ウェブアクセシビリティの確保・向上が必要ということです。

特に重要な3つの配慮

特に、(1)PDFでの情報提供には細心の注意を払う。紙の資料をスキャンして作成したPDFでの情報提供は行わない。(2)画像やPDFだけではなく、可能な限りテキストやHTMLでも情報提供する。(3)映像や音声による情報には字幕や手話をつける。という3点は、災害時の情報発信において極めて重要と考えます。

PDFでの情報提供には細心の注意を払う

第1回目のコラム「3.11 その時視覚・聴覚障害者は…」で、計画停電に関する情報が紙の資料をスキャンして作成したPDFで提供され、対象地域に住む私の友人が情報を得られず困っていたというエピソードをお話ししました。音声読み上げソフトは、紙の資料をスキャンして作成されたPDF文書の内容を読むことができません。まとまった量の情報を提供するに当たりPDFを用いることがあると思いますが、その際には必ず音声読み上げソフトでも読めるよう、PDF自体をアクセシビリティ対応させるか、可能な限りHTMLでも情報提供を行うことが求められます。

可能な限りテキストやHTMLでも情報提供する

テキストは音声や点字、拡大文字、字幕などほかの形式への変換が容易であり、携帯電話からのアクセスにおいても利便性が高くなります。震災後、ある独立行政法人のウェブサイトで、放射性物質に関する質問や相談を受け付ける電話の電話番号が画像だけで提供されていました。事情を説明して一度は修正していただきましたが、現在はまた画像による情報提供になっており、代替テキストが「電話番号」となっています。このままでは視覚障害者には電話番号が伝わらず、相談することはできません。災害時の相談電話番号のような大事な情報は皆に確実に伝わるようにテキストで提供すべきと考えます。

映像や音声による情報には字幕や手話をつける

第1回目のコラムでご紹介したように、東日本大震災直後のテレビニュースには字幕も手話もありませんでした。災害時、聴覚障害を持つ人はテレビが重要な情報源となります。字幕や手話がないために、命にかかわるような情報を得られないのはとても不安ですよね。

組織全体での継続的な取り組みを

このようなウェブアクセシビリティの確保・向上は一朝一夕にはできません。組織全体での継続的な取り組みが必要になります。広報担当部署、災害担当部署、障害者福祉の担当部署、高齢者福祉の担当部署などが連携して体制を整備し、災害時の情報発信について手順やガイドラインを準備しておく必要があります。こういった体制づくりや文書の整備は普段から行っておくことが非常に重要です。

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