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繰り返されるCMS導入プロジェクトの失敗
第2回:CMS導入業者の二つの大きな問題への対応

[ 2009年6月3日 ]

執筆担当
目次 徹也
(めつぎ てつや)


前回CMS導入業者について二つの大きな問題があることを申しあげました。一つは、要求仕様をまとめる能力に問題があること、もう一つはプロジェクトマネージメントのスキルの問題でした。今回は、これらの問題にどの様に対応したら良いかについてお話ししたいと思います。

IT業界の基本的なスキルが低下

まず、二つの問題に対する対応を考える前に今のIT業界の状況をお話しする必要があります。私は、IT業界で約30年仕事をしてきましたが、10年前あたりからIT業界のスキル低下が目立つようになってきたと感じています。IT業界に長くいる方と話をしてみるとこの点については、全員一致します。確かにIT技術発展の進度が早くなり学ばなければならない事が増加していることも確かですのでIT業界で仕事をする為に求められる技術レベルも上がっているのかもしれません。但し、私が問題視しているスキルは、高度な技術に関するものではなく、最も基本的なスキルです。ユーザーの要求を正しくヒアリングできる、潜在している可能性のある隠れた要求仕様を顕在化させユーザーに確認できるといった基本的なスキルです。このようなIT業界の状況を踏まえてどの様に対応したら良いのでしょうか。

要求仕様をまとめるスキルの問題

まず第一番目の問題である要求仕様をまとめるスキルについてお話しします。発注者の要求仕様を確認し、不明確な要求仕様を固めるといったスキルが不足する以上、発注者が正しく要求仕様を提示し、正確に伝えるということしか対応方法はありません。

それでは、どうしたら発注者は正しく要求仕様を伝えることが出来るのでしょうか。当たり前の事ですが、大前提として発注者側の要求仕様が詳細に明文化されていることです。そしてその文書が曖昧な表現でなく、具体的で分かり易いことが重要です。また、仕様書に記述した時点で要求仕様を明確にできなかった項目について、「発注者と協議の上で・・・」、「発注者の了承を得た上で・・・」といった受注者との協議を踏まえた仕様決定の方法を選択した項目については、協議を始めるまでに要求仕様を固めておくか、或は少なくとも要求仕様を決定する上で必要となるその仕様項目の目的(成果)を明確にしておく必要があります。

要求仕様内容を説明すること

しかし、発注者からみて要求仕様が分かり易い文書であっても受注者にとって分かり易いとは限りませんし、受注者側の読解力の問題もあるかもしれません。ここで申しあげたいことは、仕様書が分かり易く書かれていることを大前提とした上で受注者に具体的に要求仕様の内容を説明する必要があるということです。まず、受注者は仕様書に書かれた内容を正しく理解することに熱心ではないことを理解する必要があります。勿論、提案段階では、仕様書に沿った提案書を作成し、仕様書に書かれた内容を全て実現すると約束するでしょう。しかし、解釈の方法が異なっていたらどうでしょうか。

これまでに相談を受けたCMS導入プロジェクトのトラブルの内、受注者が仕様を読まないで作業を進めた、要求仕様を受注者の都合の良いように解釈したといった原因によるものは、数多くあり減少していないのが実情です。

目的、目標設定の重要性

では、あらためてどうしたら受注者に要求仕様を正しく理解してもらうことが出来るのでしょうか。それは、要求仕様が詳細に書かれた文書を基に何度も繰り返し説明すること以外にはありません。そしてそれを実行するために必要なことは、CMS導入プロジェクトが何のために行われるものかが明確になった目標の設定です。

CMS導入プロジェクトでは、殆どの場合ウェブサイトのリニューアルを一緒に行います。まず、ウェブサイトリニューアルの目的、目標およびリニューアルの方針を明確にすることが重要です。CMS導入は、それらの目的、目標を達成するためにリニューアルの方針に従って採用されたツールといった位置づけになります。

要求仕様の一つ一つは、リニューアルの目的、目標の達成実現の為のものになります。従って、要求仕様を説明する際には、リニューアルの目的、目標を繰返し確認することが大切になります。発注者が受注者に対して最も努力すべき事が、このリニューアルの目的、目標の共有です。お互いに異なる主張があった場合でも、リニューアルの目的、目標が一致し共有することが出来ていれば、双方の言い分のどちらがその目的に合致しているかを確認し、目的に合致した案を採用すれば良いのです。この考え方は、ウェブサイトリニューアルに特別なものではありません。私は、業務アプリケーション開発に携わった期間が長いのですが、昔から変らないとても基本的な原則であると考えています。IT関連でなくとも共同で何かを推進する際には、全て同じ考えで臨んでいます。弊社がご支援させていただいた自治体様で少しずつこの考えに基づいてプロジェクトを推進されている例も増えてきました。是非参考にして下さい。

さて、次回はプロジェクトマネージメントに関するお話しを致します。

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