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第8回A.A.O.セミナー講師 特別コラム
No.2 利用状況調査に答えたのはどんな人たちか?(後半)
- 平成18年身体障害児・者実態調査と比べて -

[ 2008年6月23日 ]

寄稿
独立行政法人
国立特別支援教育総合研究所
主任研究員 渡辺哲也さん
(わたなべ てつや)



第8回A.A.O.セミナーでご講演をいただきます、独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所の渡辺哲也氏より寄稿頂いたコラム(後半)です。(コラム前半を読む

就労状況

ICT調査回答者の就労状況を分類したところ,仕事に就いている人が最も多く6割,仕事に就いていない人が3割,学生が1割となりました。回答者の就労状況を年代ごとに見たのが図5です。10代では学生がほとんどを占めます。20代では学生の割合が半減し,その分,仕事に就いている人の割合が増えました。30代から50代では仕事に就いている人が大部分を占めます。60代と70・80代では,仕事に就いていない人の割合の方が高くなります。20代と30代において学生の割合が高いのは,筑波技術大学の学生が全回答の1割弱を占めるためで,ICT調査回答者の特徴の一つです。

図5 ICT調査回答者の年代別就労状況【 図5の説明
図5の帯グラフ

図6 平成13年厚労省調査回答者の年代別就労状況【 図6の説明
図6の帯グラフ

厚労省調査では,仕事に就いている人は全回答者の2割にとどまり,ICT調査の3分の1です。この理由も,厚労省調査では60歳以上の回答者が多かったためと考えられます。そこで,より詳細なデータが読める平成13年の厚労省調査結果から,年代ごとの就労率を求めてみました(図6)。20代から50代では就労者の割合の方が高いですが,ICT調査回答者の就労率よりは1割ずつ低い値です。65歳以上では,仕事に就いていない人の割合が9割に上ります。この年代の人が全回答者の6割以上を占めますので,全体の就労率も低くなったのです。

勤め先

ICT調査回答者の勤め先を人数の多い順に並べたのが図7です。回答者が多い順に,自営,大学及びその他学校,民間企業,病院及び治療院,福祉施設,公益法人及びその他の団体職員,官公庁となりました。

一方,厚労省調査回答者の就業状態を人数の多い順に並べたのが図8です。自営業者が最も多い点はICT調査と同じです。次に多いのは常用雇用労働者です。ICT調査では大学及びその他学校から官公庁までが常用雇用に当たると考えられますが,それらの合計人数と比べると,厚労省の常用雇用労働者の人数は低い値となっています。

図7  ICT調査回答者の勤め先【 図7の説明
図7の棒グラフ

図8 厚労省調査回答者の就業状態【 図8の説明
図8の棒グラフ

職種

ICT調査回答者の職種を人数の多い順に並べたのが図9です。理療(あんま,マッサージ,はり,きゅう)が最も多く,教員,技術職,事務職が続きます。その他の職種の内容も興味深いと思われますので具体的な職種名を示すと,点字の図書製作・校正・指導,視覚障害相談業務,会社等経営,パソコンの指導,テープ起こし,介護支援専門員,落語家,演奏家,アーティスト,盲ろう者団体役員,盲ろう者団体福祉職,図書館司書,電話交換手,医師,研究職,サウンドスケープデザイナー,外国業務のサポート,出版とリサイクル業,不動産運営,接客,専門職となります。

厚労省調査でも,あんま,マッサージ,はり,きゅうの仕事に就いている人が最も多くなりました。次に多かったのは専門的,技術的職業です。
ICT調査では,仕事に就いている人の数が厚労省調査の3倍に上るため,職種が変化に富んでいます。理療に次いで,教育機関に勤める人が多かったのも特徴です。

図9  ICT調査回答者の職種【 図9の説明
図9の棒グラフ

図10 厚労省調査回答者の職種【 図10の説明
図10の棒グラフ

パソコンの利用率

ICT調査におけるパソコン利用率は9割を超える高い値となりました。これは,メールによる回答が8割を占めているので当然と言えます。一方,厚労省調査の結果では,パソコンを利用するのは12.4%にとどまりました。この数値の低さも,高齢の回答者の数が多かったためです。

まとめ

厚労省の実態調査回答者と比べると,ICT調査の回答者には以下のような特徴が見られました。

  • 労働年齢の人が多い。
  • 障害等級1級の人が多い。
  • 就労率が高い。
  • パソコン利用率が高い。

このうち,就労率の高さは労働年齢の人が多いため,パソコン利用率の高さはメール回答者が多いためと考えられます。
平成18年の厚労省調査への回答者数が379人であるのに対して,ICT調査への回答者数は413人と多く,更に労働年齢に集中している傾向がありました。このため,視覚障害者の勤め先と職種については,ICT調査の方が詳細なデータを提供していると言えるでしょう。

参考資料

  1. 平成18年身体障害児・者実態調査
    http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/shintai/06/index.html
  2. 障害者福祉研究会(編): 我が国の身体障害児・者の現状‐平成13年身体障害児・者実態調査結果報告, 中央法規出版, 東京, 2003.
  3. 視覚障害者のパソコン・インターネット・携帯電話利用状況調査2007
    http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_d/d-267.html

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