サイト改善・運営のご相談窓口 電話番号03-3261-7431 メールアドレス:office@aao.ne.jp

注目テーマ
JIS、総務省運用ガイドライン
リニューアルCMS導入
職員の啓発
タブレット・スマートフォン対応

現在位置:トップページ > 解説・コラム > コラム・インタビュー > No.4 視覚障害者の社会参加で(中編)

無料A.A.O.公共機関
ウェブサイト通信

解説コラム、セミナー情報、調査結果等、公共機関ウェブサイト担当者様向けに最新情報をメールでお届けします。

改正JIS対応に関する
お問い合わせ

サイト内容やJIS規格対応支援等のサービスについてのお問い合わせ、お見積もり・ご相談・ご依頼は以下のお問い合わせフォーム(SSL)で承っております。

電話番号03-3261-7431
メールアドレス:office@aao.ne.jp

わたしとWebとパソコンと
No.4 視覚障害者の社会参加で(中編)

[ 2008年9月18日 ]

岩渕正樹さんの写真 インタビュアー
岩渕正樹さん
(いわぶち まさき)

宇佐美さんの写真 宇佐美昭治さん
(うさみ しょうじ)



マッサージで資金作り

岩渕アイネットでは、どのようなことを行なっているのでしょうか?

宇佐美アイネットでは、第1日曜日に定例会を行なっています。また、第1木曜日にパソコン部会、第1日曜日と第4木曜日にダンスレッスン、第3木曜日にアイネットサロン、手芸教室を月1回と、それぞれ市内の公民館や公的施設を会場に行なっています。第3日曜日には、デイケア鶴ヶ島「すまいるはうす」での「視障者のためのパソコン体験フォロー講座」にも参加しています。
パソコン体験コーナーの写真

岩渕:かなり活発と言いますか、宇佐美さんが忙しいのがよく分かります。

宇佐美:それ以外にも、アイネットの年行事として「見えないということ」シリーズで、講演会や交流会などのイベントを実施しています。また、市内の小中学校の福祉授業・公的行事などにも積極的に参加しています。
私たちは「見えない者の会」ですが、市民の皆さんからは、ぜひ「活動を通して見える会」を目指して行きたいと願っております。

岩渕アイネットでは、会員相互の助け合いのようなものがあると聞きましたが?

宇佐美:アイネット基金ですね。鶴ヶ島市ボランティア・市民活動フェスタやフリーマーケットでマッサージをやったり模擬店で収益を上げて、レスパイトを助成しています。

岩渕:レスパイトとは、どういったものでしょうか?

宇佐美:視覚障害者の外出支援制度として、車による有料移送サービスのレスパイト支援費制度がありますが、有料のため個人負担が大きいんですよ。支援費制度は所得によって負担に差があるので、十分活用できないのが現状なんですね。
視覚障害者が安心して外出ができるレスパイトサービスでの経済的負担を軽くするために、アイネット基金制度を作りました。
マッサージコーナーの写真

岩渕:その資金はどうやって?

宇佐美:アイネット基金の会費として1500円いただいて、基金からは2500円払っています。足りない分は、マッサージや模擬店で。

岩渕:それだけ収益をあげている?

宇佐美:金持ちですから (笑)。いや、実際は大変ですよ。模擬店やるんだって。

岩渕:そうでしょうね。

自分で情報発信が

岩渕アイネットの皆さんのインターネット利用はどうでしょうか?

宇佐美アイネットの皆さんは、やはりニュースと時刻表ですね。それから、女性は料理のレシピを多く利用しているようです。

岩渕:障害のない人たちと同じように便利に使っているということですね。パソコンが使えるようになったことで、また、ウェブを利用できるようになったことで、宇佐美さんの趣味や夢、生きがいや生活は変わったでしょうか?今までできなかったことができるようになった、あるいは、以前していたことがまたできるようになったということがあるでしょうか?

宇佐美:そうですね。まず大きなことは、今までは自分で情報を発信することができなかったわけですね。ところが、メール、あるいはホームページ、ブログなどを活用して、自分で情報を発信できるようになった。これが最大の違いです。

岩渕:確かに、とても大きな「できるようになったこと」だと思います。でも、それを言うなら、別に視覚障害者だけのことではなく、そうでない人にとっても情報を発信する手段が得られるようになったのは同じです。
そこで言えることは、こういった情報発信が、障害者にもそうでない人にも“手段としては”同じ様に手に入れられるということです。同じ手段を全ての人が手に入れられる時代を迎えたというのは、人類史上初めてのことかもしれません!と大きくでます (笑)

宇佐美:そう思います。パソコンは、バリアフリーの最たるものだと思っています。視覚障害をもっていても健常者と同じ条件で同じことが同じようにできます。大変大きなことだと思います。パソコンは革命、情報の革命だと思います。

32巻がCD3枚!

岩渕:以前していたことがまたできるようになったということはありますか?

宇佐美:ぼくは旅行が好きで、特にガイドブックが好きでよく読んでいました。でも、活字が見えなくなってからは全くご無沙汰していましたが、最近は旅行に行く前と後と、その地域のホームページを訪れています。旅行に行く前に訪れることで、その地域のイメージがかきたてられますし、行った後にまた聞くことでイメージが倍加します。私たちはイメージで楽しんでいるのです。

岩渕:パソコンやウェブの利用で、趣味や夢、生きがいや生活の変化はありましたか?

宇佐美:そうですね。趣味としては登山とスキーですね。全く見えなくなってから始めました。

岩渕:本日のインタビューの最初のほうで、「山登りは、全く見えなくなった50代になってからです」というのを初めて聞いたわけですが、あのときデイジー図書にした「東京周辺の山」は見えなくなってからの趣味だったのですね。
市民ウオーキングの写真

宇佐美:「東京周辺の山」のテープは、私の最大のバイブルで、山に行く前に何度も聞き直しました。

岩渕:でも、何度も何度も聞けば聞くほど擦り切れてしまうのがカセットテープというヤツで、朗読ボランティアさんたちが作ってよかったと喜ばれるものほど早く消耗してしまう悲しい宿命にあったわけです。

宇佐美:擦り切れるのもそうですが、テープの場合、検索ができないので、最初から聞くしかありませんでした。また、「東京周辺の山」でいうと、テープで32巻という膨大な量となりました。

岩渕:32巻もあると、1巻の中から探す以前に、どの巻に入っているのかを探すだけでも大変です。

宇佐美:テープだと大変なんですが、CDによるデイジー図書というのがあると聞いてこの近くにも無いかと思っていたところ、坂戸にデイジー図書のグループができたと聞いて頼んでみました。

岩渕朗読サービスグループカナリア坂戸パソボラの協働プロジェクトとして生まれたデイジー坂戸ですね。たぶん宇佐美さんからの依頼が、デイジー坂戸が作成したデイジー図書の第1号です。32巻のテープがどのくらいになったのでしょうか?

宇佐美:CD3枚で全て納まりました。

岩渕:しかも検索ができるという!

宇佐美:とても便利なデイジー図書ですが、視覚障害者でも知らない人が多いので、もっと知られてほしいと思いますし、もっともっと利用してほしいと思います。カセットテープが無くなると言われていますので、デイジーの普及が急がれています。


インタビューは更に続きます。後編では、便利なパソコンの使いにくさ、自治体への働きかけ、パソコンやウェブへの要望、ケータイの使い方、A.A.O.サイトについて、率直な思いが語られます。「見えない者」から「見える会」へと歩みを刻む、宇佐美さんの話にご期待ください。

A.A.O.公共機関ホームページ支援メニューのご案内

A.A.O.では、官公庁、自治体、独立行政法人、各種公共団体、民間企業などのウェブサイトのアクセシビリティ改善、ユーザビリティ改善などを強力にバックアップするサービスを行っております。

電話番号03-3261-7431
メールアドレス:office@aao.ne.jp

全ページJIS検証プログラムAion

ウェブサイト解析CRONOS2