ホームページ品質の差が拡大する傾向
[ 2015年7月9日 ]
執筆担当
目次 徹也
(めつぎ てつや)
2015年は、過去10年にわたり実施している「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査」に加え、「Aion全ページJIS対応調査」を実施しております。先行して実施した「Aion全ページJIS対応調査」については、A.A.O.サイトにて調査結果を公開中です。
また、隔年で実施している「公共機関ウェブサイトの運営に関するアンケート調査」について今年が第4回となり、現在調査を実施しています。
現在、完了した調査から分析作業を進めています。現時点で判明していることは、年々品質の格差が広がっているということです。アクセシビリティや情報分類など、ホームページ全体の品質向上に努めているところは、定期的に品質の確認や改善を実施しており、より高い目標に向け、利用者にとって使い勝手の良いサイト品質の向上を目指しています。一方、調査結果によると、ホームページ全体について改善が進んでいない団体が数多く残っています。
「公共機関ウェブサイトの運営に関するアンケート調査」の結果と「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査」の結果を相互に分析すると、この傾向が明らかに数値として現れています。アクセシビリティの検証、リンク切れの検証等を定期的に実施している団体や、情報分類の見直しについてサイト全体を対象にした団体は、「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査」のレベル判定が高い結果となっています。
過去10年の間に「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査」結果に基づくホームページのレベル判定が低下したことがある団体が、860の自治体のうち248団体(全体のおよそ3割)あることにも注目する必要があります。リニューアル実施時に品質向上に取組むことはもちろんのこと、リニューアルを実施していない期間に検証や改善の取組みを定期的かつ継続的に行わないと、日々の更新によってアクセシビリティやユーザビリティの品質が低下してしまいます。
また、およそ5年単位で実施されることが多いリニューアル及びCMS導入(入替え)事業において、十分な効果を得られていないと思われるホームページは、およそ8割となっています。特にここ数年は、リニューアルのプロジェクトにおいて作業上のトラブルや品質の低下が散見されており、その原因と対策について、セミナー等を通じて公共機関の皆様にお伝えしております。
7月24日から8月7日にかけ、福岡、東京、仙台、大阪の順で上記調査の発表セミナーを開催予定です。調査結果をご説明するととともに、同日午後のセミナーでは、問題点課題とその原因、品質向上に必要な取組を詳細に解説します。調査対象団体の皆様には、この機会を逃さずご参加いただけたらと思います。