総務省「JIS対応状況調査」結果への対応が急務~全国の3割以上の公的機関でウェブアクセシビリティの問題が増加~
[ 2023年7月13日 ]
執筆担当
米田 佳代
(よねだ かよ)
公的機関の約3割のページでJIS規格に不適合
総務省は、昨年度、全国の862自治体の公式ホームページを対象に、「JIS対応状況調査」を実施しました。
この調査は、アライド・ブレインズが総務省から業務を請け負い、総務省のチェックツールmiChecker(エムアイチェッカー)の基準により、公的機関ホームページで公開されている全ページを対象に、JIS規格への対応状況を確認したものです。
調査の結果、全対象ページのうち30.5%のページに、ウェブアクセシビリティのJIS規格(JIS X 8341-3:2016)の適合レベルA及びAAの問題があることがわかりました。
- 昨年度対象: 都道府県、市、東京23区の計862団体 調査結果は各団体に2023年3月に郵送済み
- 今年度対象(予定):国の機関、町村、独立行政法人、地方独立行政法人
総務省は定期的に公的機関のJIS対応状況調査を実施
総務省は、2017年度より定期的に、全国の公的機関の公式ホームページを対象に「JIS対応状況調査」を行っています。同じ団体が数年おきに繰り返し調査対象となり、結果の経年変化も確認されています。
2017年度調査結果と2020年度調査結果を比較したところ、31.9%の団体で問題のあるページの割合が増えたことがわかりました。
(参考)「公的機関のウェブアクセシビリティ確保の取組実施状況に関する調査報告書」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/b_free/guideline_past.html
全ページの現状把握が必須
公的機関ホームページは、利用者がどのページにも問題なくアクセスし、情報を取得できるよう、全ページを対象に検証を行い、改善していくことが重要です。 全ページの現状把握、アクセシビリティ対応が必要な理由を一部ご紹介します。
- 障害者差別解消法でウェブアクセシビリティは、「環境の整備」の一環と位置づけられており、あらかじめホームページ全体で対応することが求められます。
- 利用者は、検索結果やSNSなどを通じて、あらゆるページにアクセスする可能性があります。トップページなど主要なページだけでなく、全ページでアクセシビリティに対応することが必要です。
- 公的機関はページ作成に関わる職員の数が多く、異動が頻繁に行われます。アクセシビリティ対応のルールが組織全体に浸透していないと、問題のあるページが公開されることがあります。ホームページ全体の対応状況を確認することが重要です。
まずは「JIS対応状況調査」の結果確認から
本コラムをお読みの皆様は、まずは総務省「JIS対応状況調査」の結果を確認いただき、ホームページ全体の現状を把握することから始めてみてください。
アライド・ブレインズでは、調査結果の活用方法等を含め、総務省「みんなの公共サイト運用ガイドライン」に基づくアクセシビリティ対応について、下記のセミナーで解説予定です。是非ご参加ください。
次回のコラムでは、JIS規格の改正に向けて求められる対応について、解説予定です。
総務省ガイドライン解説セミナー:8月3日 東京、8月24日 大阪
関連セミナー:7月~9月 東京、大阪、福岡
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