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ウェブアクセシビリティ向上への道 - だれもが使えるサイトを目指して -
No.11 日常業務における「みんなの公共サイト運用モデル」の実践(1)
「基本検討シート」「詳細検討シート」の活用

[ 月刊『広報』 平成18年6月号掲載 ]

執筆担当
青木 祐子(あおき ゆうこ)



行政の広報担当者に役立つ実務記事などを中心とした行政広報専門誌、 月刊『広報』 で連載している「ウェブアクセシビリティ向上への道 – だれもが使えるサイトを目指して -」の記事を、日本広報協会様のご好意により、転載させていただきます。

前回、「リニューアルはアクセシビリティ確保の絶好の機会」と述べましたが、予算措置を伴う大規模なリニューアルの実施は難しい自治体も多いと思います。リニューアルを行わずに、現行のホームページのアクセシビリティを確保・向上させるためには、日常の更新の際に欠かさずに配慮を行わなければなりません。

今月号と来月号では、総務省「みんなの公共サイト運用モデル」 (注1) の手順書類集4「ホームページ・リニューアル等実施手順」の中の一つ、「ウェブページの追加・更新」手順に沿って、日常業務でのワークシートの活用法を解説します。

アクセシビリティに配慮したガイドラインやマニュアルを整備

ホームページは日々更新され、新しい情報が掲載されます。新規にページを作成するときに適切な配慮が行われないと、ホームページ全体のアクセシビリティはどんどん低下してしまいます。

人事異動で作成する人が変わっても継続して配慮を行うためには、作成のガイドラインやマニュアルの整備が大切です。各課で更新を行っており、多くの人が作成にかかわっている場合でも、明確な基準と具体的な対応方法を定めておく必要があります。既にガイドラインやマニュアル類があっても、その中にアクセシビリティ配慮はどの程度含まれているでしょうか?検討用のワークシートを参照して、ガイドライン等に盛り込むべき内容を検討してみましょう。

「基本検討シート」で必要とされる配慮を確認

検討の最初に使用するのが、手順書類集4a)「基本検討シート」です。「基本検討シート」には、必要な配慮項目が36項目に大きく分類され、さらに「レベル1」「レベル2」の二つに分かれて示されています。

「レベル1」なら簡単にできそうに思いますが、そうではなく「最低限の対応」です。音声読み上げソフトなどの支援技術を用いたり、自分のパソコンの設定を工夫してもホームページを利用できない、ということがないようにするための、最低限必要な項目で、アクセシビリティを確保するためには、これだけでなく「レベル2」の項目にもできる限り対応することが求められます。

まずは「レベル1」の対応を優先して進める必要がありますが、急いで「レベル1」だけを検討するのではなく、「レベル2」までの全体の内容を通して見て、どのような対応が必要とされているかを把握しましょう。

「レベル2」の中には、省略語・専門用語や読みの難しい言葉の取り扱いなど、難しい技術を使わなくても対応が可能で、ガイドラインやマニュアルに取り入れやすいものもあります。また、文字については、「レベル1」で色とサイズ、「レベル2」で書体の対応方針が示されています。色・サイズ・書体をどのように使うか、合わせて決めておくほうが、あとでガイドライン等にまとめやすく、運用もしやすくなります。

「基本検討シート」の対応方針の中で、現行のホームページで配慮されていない項目、既存のガイドライン等に欠けている視点がないかを確認し、対応できそうな項目をピックアップして検討を進めましょう。

「詳細検討シート」で具体的な対応方法を決める

次のステップは詳細検討です。手順書類集4c)「詳細検討シート」には「基本検討シート」と同じ項目番号で、配慮の必要性の解説や具体的な対応例などが示されていています。例えば、「基本検討シート」の項目番号1-1「規格・仕様」で、「機種依存文字は使用しない」と対応方針が決まっています。それでは、代わりにどのように表記するのか、「詳細検討シート」の同じ項目番号、検討3の対処策例を参考に検討します。「単位記号はカタカナで表記する(「㎏」は「キログラム」にする)」など、具体的な方法を決めたら、ガイドライン等に盛り込んでください。

しかしながら、「詳細検討シート」はリニューアルの受託業者が主導して使用する前提で書かれており、HTMLなどのWeb技術の知識がないと理解が難しい項目も多くあります。ホームページ作成ソフトやCMS (注2) で作成している場合は、ソフトやシステムの機能によって対応できないこともあります。「基本検討シート」から「これならできそうだ」とピックアップした項目でも、詳細検討の結果、実際の対応が難しいものが出てくるかもしれません。

各課の担当者がページ作成のたびにHTMLソースを確認・修正するなど、無理に難しい対応をすることによって作業手順が煩雑になり、正確・迅速な情報提供ができなくなっては本来のホームページの役割を果たせません。アクセシビリティ配慮と情報提供のあり方のバランスを考え、確実に、継続して取り組みが可能な対応方法を決めることが大切です。

ガイドラインやマニュアルを整備し、アクセシビリティに配慮したページを作成した後は、点検してから公開します。次回は「簡易点検表」を活用した点検などについてお話します。

注1 みんなの公共サイト運用モデル
平成16年11月17日から開催された「公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会」の検討成果として、17年12月15日に総務省より発表。アライド・ブレインズでは、総務省の委託を受けこのモデルの検討を支援してきた。
総務省サイト「みんなの公共サイト運用モデル」
注2 CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)
ホームページなどの制作から運用までを、効率的に管理するためのシステムの総称。複数の業者から多数の製品が提供されている。システムが管理する範囲や実現機能には、製品により様々な違いがある。

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