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ウェブアクセシビリティ向上への道 - だれもが使えるサイトを目指して -
No.16(最終回) 2006年自治体サイト全ページアクセシビリティ実態調査

[ 月刊『広報』 平成18年11月号掲載 ]

執筆担当
大久保 翌
(おおくぼ あきら)


行政の広報担当者に役立つ実務記事などを中心とした行政広報専門誌、 月刊『広報』 で連載している「ウェブアクセシビリティ向上への道 – だれもが使えるサイトを目指して -」の記事を、日本広報協会様のご好意により、転載させていただきます。

アライド・ブレインズでは、平成18年8月から10月にかけて、独自に開発したホームページの品質を解析するプログラム「CRONOS2(クロノス2)」( 注1 )を用いて、全国約180自治体ホームページのアクセシビリティ対応状況の調査( 注2 )を行いました。

公開されている全ページを対象に調査

これまでに、弊社や他社が実施したアクセシビリティ調査は、多くの場合、トップページあるいは数十ページを抽出し評価対象としたり、運営者のアンケート回答に基づいて分析する手法で行われてきました。

地域住民をはじめ多数の利用者が情報を閲覧し利用するのは、下層を含めた個別ページです。各課で作成したページや古いページなどを含め、実際に利用者がアクセスする可能性があるページのアクセシビリティは、どの程度対応されているのでしょうか?

今回の調査ではこのような視点から、ホームページの公開されている全ページを点検し、傾向を分析することとしました。

Aレベルは180自治体サイト中わずか4サイト

サイト全体の大まかな傾向を判断するため、解析プログラム「CRONOS2」が収集するデータのうち、アクセシビリティの基本対応を象徴する項目として「画像に対する代替テキストの付与状況」、発展対応を象徴する項目として「見出し、箇条書きなど文書構造に関するHTMLの記述」の2種類のデータを取り上げ、分析しました。

このデータを元に各サイトをAからEレベルの5段階で評価したところ、サイト全体で対応が行われている可能性が高いAレベルと判定されたのは180自治体中、4自治体にとどまりました。大多数の自治体は、対応が不十分と考えられるDレベル以下に該当したのです。

特に早急な対応を求めたいDレベル、Eレベルについて、調査結果の傾向と求められる対応を考えてみましょう。

【Dレベル】基本対応が不十分である/発展対応の着手が遅れている

該当自治体数が102と最も多かったDレベルの自治体は、次のいずれかに当てはまります。

  • 「画像に対する代替テキストの付与」がきちんとなされている可能性の高いページが、総ページ数の6割に満たない
  • 「見出し、箇条書きなど文書構造に関するHTMLの記述」に着手している可能性の高いページが総ページ数の1割に満たない

「画像に対する代替テキストの付与」は、ウェブアクセシビリティの最優先の対応とされています。この対応が適切でないページでは、音声読み上げソフトなどの利用者が情報を取得できなかったり、混乱してしまったりする可能性が高いといえます。

「見出し、箇条書きなど文書構造に関するHTMLの記述」は、利用者が使うブラウザなどのソフトウェアや、検索エンジンのようなプログラムが、情報を見つけやすいページの作りになっているかどうかの目安となります。このような作りになっていないページは、時代の流れに対応できていない古い作りのページだといってもよいでしょう。

【Eレベル】基本対応が不十分なページが極めて多い

最も低いレベルとして設定したEレベルは、31もの自治体が該当しました。

これらはウェブアクセシビリティの最優先対応である「画像に対する代替テキストの付与」が不十分な可能性の高いページが、総ページ数の6割を超えた自治体です。音声読み上げソフトなどの利用者が必要な情報を求めてサイトにアクセスした場合に、かなりの確率で配慮が十分でないページに遭遇する恐れがあります。

仕事柄、多くの自治体のホームページ担当の方からお話を聞きますが、管理されているサイトの状況をリアルに把握されている方の割合は、決して多くありません。

リンク切れやアクセス数といった分かりやすい視点については、関心が高くなりつつあります。しかし、「伝わりやすさ」「分かりやすさ」といった観点で、どの程度の品質が、サイトのどの程度の割合で実現できているか、どのコーナーとどのコーナーに多くの問題があるかという視点ではどうでしょうか?

ご承知のとおり、インターネット利用がこれだけ普及した今、ウェブサイトは、とてつもない価値を持ったデータベースであると同時に、住民や顧客など利用者とのコミュニケーションの最前線の役割を担いつつあります。

今後のサイト運用においては、管理者の負担軽減と同時に、利用者が問題なく快適にサイトを利用できるための品質管理のあり方を考えていくことが欠かせません。本調査結果を参考に、サイトの管理に少しずつ、このような視点を導入いただければ幸いです。

アライド・ブレインズでは、今後も引き続き、ウェブアクセシビリティ実用サイト「 A.A.O. 」を通じて、自治体のホームページ制作・運営をご支援する様々な情報を発信していく予定です。どうぞご活用ください。

2006年自治体サイト全ページアクセシビリティ実態調査 調査概要&調査結果概要

■調査対象
全国47都道府県庁、人口20万人以上の自治体、東京23区の計180自治体の公式ホームページの公開されている全ページ
■調査期間
平成18年8月22日~10月12日(主な解析時期は、8月22日~9月29日)
■調査・分析方法

アライド・ブレインズが独自に開発したホームページの品質解析プログラム「CRONOS2(クロノス2)」を用いて各自治体のトップページよりリンクを巡回し、同一ドメイン内のHTML内容を収集・解析した。
今回の調査では、「CRONOS2」の各種収集データのうち、アクセシビリティの基本対応、発展対応を象徴する項目として以下のデータを取り上げ、分析した。

  • 基本対応:画像に対する代替テキストの付与状況
  • 発展対応:見出し、箇条書きなど文書構造に関するHTMLの記述状況
注1 CRONOS2(クロノス2)
アライド・ブレインズが開発した ホームページの品質を解析するプログラム。サイトのトップページからリンクをだどり、公開されているページの情報を取得し解析する。CRONOS2によるサイト全ページのアクセシビリティ診断サービスでは、自治体実態調査の調査項目のほかに、多数の視点を加えサイトの状況を分析しレポートする。
注2 2006年自治体サイト全ページアクセシビリティ実態調査
アライド・ブレインズでは、平成18年8月から10月にかけ全国約180自治体のホームページを対象に実施。調査概要と結果の詳細は、ウェブアクセシビリティ実用サイト「A.A.O.」で紹介している。
https://www.aao.ne.jp/accessibility/docs/cronos2/

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