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ウェブアクセシビリティ向上への道 - だれもが使えるサイトを目指して -
No.04利用できないホームページとは?

[ 月刊『広報』 平成17年11月号掲載 ]

執筆担当
大久保 翌
(おおくぼ あきら)


行政の広報担当者に役立つ実務記事などを中心とした行政広報専門誌、 月刊『広報』 で連載している「ウェブアクセシビリティ向上への道 – だれもが使えるサイトを目指して -」の記事を、日本広報協会様のご好意により、転載させていただきます。

アクセシビリティに配慮のないホームページにアクセスした場合、利用者にどのようなことが起こっているでしょうか? 今回は具体的な事例をご紹介しましょう。

ごみ出しの曜日が分からない

九州にお住まいの若い男性のエピソードです。その方は目がほとんど見えません。障害がありますが、親元から自立し、一人暮らしをしています。ある日、収集場所へごみを出しに行って、いつもと様子が違うことに気づきました。他の人が先に出していたごみが、自分が持ってきた種類とはどうも違うようなのです。

実は、分別ごみ収集の曜日が変更になっていましたが、その方の元にはまだ情報が届いていませんでした。収集場所の壁には貼り紙で示してありますが、目が見えませんので、それを自分で読むことはできません。その方はしばらくの間、ごみ収集と思われる日になると、収集場所へ行って周りのごみ袋を手で触って判断していたそうです。

ホームページで確認してみると……

しばらくたったある日、自治体のホームページに情報が出ているのではないかと思いたってアクセスしてみました。その方は、ホームページの内容を音声に変換するソフト(音声読み上げソフト)を使って読んでいます。パソコンやホームページを使って仕事をされているほど、操作に精通した方です。

その自治体のホームページには確かに、ごみ収集の曜日が変更されたことが詳しく書いてありました。しかし、その方がアクセスしたところ、音声では何の情報も得ることができませんでした。そのページには、曜日変更を伝えるチラシを取り込んだ大きな画像ファイルが貼ってあったのですが、必要な配慮がされていなかったのです。そのページを作った方は、画像の内容を読めない人がいること、そのような人にも情報を伝える方法があることを知らなかったのでしょう。もちろん、アクセシビリティに配慮している自治体のホームページでは、音声読み上げソフトでごみ収集の曜日を確認することができます。

以上は、少々伝わりやすく直していますが、ほとんど実話です。生活に密着した情報は、知りたいと思った時に自力で入手できるということが大切だと思います。ホームページはそんなニーズに応える格好のメディアなのですが、残念ながら多くの自治体で配慮が行き届いていません。皆さんが担当されているページでは、同じようなことが起きていないでしょうか?

マウスをうまく使えない人も利用している

もう一つ違う例を挙げましょう。皆さんはホームページを利用する時に、マウスを使っていると思います。文字を入力する以外のほとんどの操作はマウスで行なっているでしょう。

あまり知られていませんが、ホームページやパソコンの操作には、別の方法があります。キーボードのキーを使う方法です。試しに、A.A.O.サイトをブラウザで開いて、キーボードの端の方にある「Tabキー」を何回か押してみてください。画面を目を凝らして見ていただくと、ページの中でリンクが張られている部分を、どんどん移動していくはずです。選びたいリンクに移動したら「Enterキー」を押してみてください。次のページに移動できると思います。

ホームページを利用している人の中には、手を自在に動かせなかったり、目が見えなかったりすることが理由で、マウスを思うように使えない人がいます。そのような人たちは多くの場合、ご紹介したような具合に、キーボードのキーを使ってホームページを利用しています。

清水さんのパソコン操作写真写真の清水正男さんは、スキー事故が原因で手足を思うように動かすことができません。頭の動作でキーボードのキーを操作するための補助具を活用して、ホームページを閲覧したり、自身のホームページを運営したりしています。

 

ホームページの中に入っていけない!

ところが、現実には、マウスでは問題なく利用できるのに、キーボードのキー操作では利用できないホームページがあります。たとえば、ある県内の各自治体ホームページには、トップページに「災害時に利用する伝言板システム」への入り口メニューが用意されています。障害のあるなしにかかわらず、重要なサービスです。利用できない人のないように細心の注意が払われるべきでしょう。しかし、マウスではこのサービスの中に入って行けるのですが、キーボードではメニューを容易に操作できません。

メニューを選べるかどうかは、情報やサービスを利用できるかどうかに直結します。アクセシビリティを考えずに作られたホームページでは、知らないうちに利用者を排除してしまっているのです。

これまでのホームページでは、情報をとにかく発信することが重要だとされてきた感があります。しかし、これからは情報が利用者にきちんと届いているかどうかを合わせて考えてみてください。その情報をだれよりも必要としている人が、利用できていないかもしれないからです。

岡山県で大規模な職員研修を実施
今年9月から10月にかけて、岡山県のホームページを担当している職員約150人近くを対象に、ウェブアクセシビリティ研修が実施されました。ホームページビルダーを使った制作自習を含む実践的な内容です。組織のホームページでは、制作にかかわる多くの人たちの理解の有無が品質を左右します。全庁挙げてのチャレンジとして大いに注目される取り組みです。
音声読み上げソフト
パソコンの操作やソフトの利用全般を音声で行うスクリーンリーダーや、ホームページの内容を読み上げる専用ソフトである音声ブラウザなど複数の製品がある。ホームページ内のテキストを音声で読み上げる。画像の内容は、制作者が説明の文章(代替テキスト)を制作時に適切に付けていれば把握できる。アクセシビリティの配慮がなされていれば、概ね目の見えている人と同じようにホームページの情報やサービスを利用できる。

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