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大妻女子大学 金城ゼミインタビュー
第1回:大学生から見たウェブアクセシビリティ

[ 2009年3月23日 ]


認知心理学がご専門の大妻女子大学・社会情報学部・社会情報処理学専攻 金城光(きんじょうひかり)先生のゼミでは、2年前から学生さんと一緒にウェブアクセシビリティの研究をされているそうです。

2月25日、アライド・ブレインズに金城先生と、地方自治体のウェブアクセシビリティをテーマに卒業論文を書かれた4年生の船井絵理さんにお越しいただき、お話をうかがいました。学生さんの目から見たウェブアクセシビリティとは、地方自治体サイトの問題点とは・・・?

お二人へのインタビューの模様を、船井さんの卒論の結果を織り交ぜながら、3回に分けてご紹介します。

ゼミの研究テーマはウェブアクセシビリティ

アライド:はじめに、金城先生のご専門やゼミについてご紹介いただけますか。

金城:私は認知心理学を専門としています。認知心理学というのは心理学の中でも人が外からの情報をいかに五感で受け入れ、それを処理して自分の行動に結び付けていくかについて研究する学問です。その中で現在では特に記憶を研究しており、高齢者の記憶や認知機能の研究もしています。

アライド:認知心理学というのは一般社会の中でどのようなところに関係がある学問なのでしょうか。

金城:人間の認知とは私たちが常に行っている行動そのものです。これまでの知識や経験を元に、現在置かれている自分の状況をモニタリングし、その次の行動を制御していくような働きと考えて下さい。例えばアライド・ブレインズへうかがうとすると、「自分は方向音痴だから」と地図を用意し、神保町の駅に着いたら、交差点や建物の位置を確認しながら地図を見て自分の位置を認識し、地図の情報をもとに、何を目標にどちらの方向へ向かっていけばいいかと整理するような機能です。

アライド:難しそうですね。

金城:そんなことはありません。例えば勉強する時に、いかに効率よく勉強しなければならないか、テストがあるとしたら教科書を自分がどれだけ覚えていて、テストの日までにどこまでをどれだけ覚えなければならないかと計画を立てて、自分の目標が達成するように行動に結び付けていくというのが認知というものです。

アライド:ウェブアクセシビリティについては、金城先生の授業で取り上げられたのですか。

金城:社会情報学部というのは、氾濫している情報の中から適切な情報を見つけ出し、それを目的に合わせて編集、加工して発信する技術や知識を勉強する学部なのですが、実際に情報がユーザーにどう役立っているか、どう困っているかというところまではなかなかいかないのです。例えばウェブに関してもウェブデザインという授業がありますが、実際のユーザーが何に困っていてどうしたいのか、というようなところが非常に欠けているような気がしていました。そこで、ゼミ生皆で勉強するテーマとしてウェブアクセシビリティを選びました。

アライド:いつから始められたのですか?

金城:2年前位です。いい教科書が欲しくて探してみたところ、まとまった形で読めるのがアライド・ブレインズの方が書かれた「WebアクセシビリティJIS規格完全ガイド」でした。今3年生がみんな楽しくこの本を利用しています。自分たちだけ使えればよいのではなくて、いかに多くの人が情報を共有できるかという、今まで知らなかった視点に立ったホームページ作りやシステム作りが見えるような気がして、好評です。

アクセシビリティに興味を持ったきっかけは

アライド:船井さんは、卒業論文で自治体のウェブアクセシビリティを研究されたそうですが、アクセシビリティに興味を持たれたきっかけは何でしたか。

船井:大学三年生の時に「学生が作る中小企業ホームページグランプリ多摩」に友達と一緒に応募し、食品卸業者のホームページを作りました。その時に心がけたことが、デザインを消費者の立場に立って分かりやすく作るということでした。ウェブアクセシビリティに興味を持ったのは、ユーザーの立場に立って考えることが重要であることが少しわかったからだと思います。

アライド:コンテストの結果はいかがでしたか?

船井:結果は惨敗でした。その後にゼミでウェブアクセシビリティについてきちんと学んだところ、自分が考えていたウェブアクセシビリティは少し違っていたということが分かり、さらに興味が湧いてきました。例えば、地方自治体サイトで音声読み上げソフトが提供されていると、アクセシビリティについて先進的な自治体なのだと思っていました。しかし、弱視の方や全盲の方は、自分が普段使用しているソフトをパソコンの中に持っているので、サイトで提供されている音声読み上げソフトはあまり必要ではないことを知りました。それでは、利用者から求められているアクセシビリティとはどのようなものなのか、と興味を持ちました。

アライド:そういうことに気付くのはすごいことですね。自治体の人でも音声読み上げソフトをサイトで提供していると先進的だと思っている人が非常に多いです。
アクセシビリティについてあまり基礎的な知識がなかった時と、実は勉強したらこういうものだったな、ということで一番大きな違いは何でしたか?

船井:ウェブアクセシビリティに配慮するには、ホームページを作る側が責任を持って作らなければならないという点に気づいたことが大きく違います。学ぶ前までは「ウェブアクセシビリティをやってあげていればいいんだ」という意識で、ユーザーに対してそこまで親身にはなっていなかったです。

アライド:勉強する前は、自分中心の解釈だったということですか。

船井:そうですね。「こういうテキストにしよう」「ここにalt属性をつけてあげよう」と、自分だけの視点でウェブアクセシビリティを決めていたのですが、本当のウェブアクセシビリティというのは障害者や高齢者の方など全ての人を含めて必要となるものなので、ユーザーの立場になって考えて作るという点で大きく違っていたなと分かりました。

アライド:素晴らしいですね。A.A.O.セミナーで講演していただきたいくらいすばらしい発見だと思います。


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