2025年 最新結果公表開始 A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査とは?
[ 2025年6月30日 ]
執筆担当
大谷 昌也
(おおたに まさや)
アライド・ブレインズでは、公共機関ウェブサイトの品質向上のための指標として役立てていただく目的で、2006年より「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査」を実施しており、この度第18回目の調査結果公表を開始いたしました。
国内ウェブアクセシビリティの取組発足から続く調査です
公共機関のウェブアクセシビリティの取組は、さかのぼること20年前、2005年の総務省「みんなの公共サイト運用モデル」の公表をきっかけに、本格的に推進されるようになりました。アライド・ブレインズ株式会社は総務省より「みんなの公共サイト運用モデル」作成に関する調査研究を請け負い、モデルの作成を担当しました。
当時の公共機関ウェブサイトは、ほとんどすべての団体で、現在と比較してアクセシビリティ、ユーザビリティの問題が著しく多い状態でした。しかし、ほとんどのご担当者様は、ご自身の管理しているウェブサイトが何ページの規模であるか、問題がどの程度あるか、全くご存じありませんでした。ウェブアクセシビリティという概念を国内に導入するにあたり、まず実態を知っていただくことが不可欠であると考え、「みんなの公共サイト運用モデル」の公表翌年の2006年よりA.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査を開始いたしました。
以来、ウェブサイトの改善がどの程度進行できているか、正しく取組が効果をあげられているかを把握していただくための指標として多くの公共機関に活用いただきながら、調査を継続しております。
総合的に品質を確認することの重要性
全ての国民に対してわかりやすい情報発信を求められる公共機関ウェブサイトは、何かの一側面からだけ評価を行ったり、改善を行うだけでは不十分です。
A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査は、弊社独自に開発した解析システム「CRONOS」を用いて実施しています。CRONOSは様々な観点からウェブサイトの品質を解析し、総合的な調査結果をご提供します。
- アクセシビリティ(JIS X 8341-3 / 障害者差別解消法対応)
- ユーザビリティ(検索性 / 表現のわかりやすさ)
- 機械判読性(情報分類 / サイト構造設計)
- リスク対応(有害情報 / 誤情報 / 古い情報)
2025年調査結果公表開始
2025年の調査結果の公表を順次開始しています。本コラム執筆時点の6月25日現在、以下の調査結果を公表しております。
その他の市、国の機関、独立行政法人、公立大学等の調査を進行しており、結果がとりまとまり次第公表してまいります。
2025年調査の特徴
昨今の利用端末の変化、ウェブアクセシビリティのJIS規格改正が予定されスマートフォン対応が強く求められていること(連載コラム「JIS X 8341-3改正動向と公共機関HPに必要な対応」を参照ください)などを踏まえ、今年度の調査より調査対象を「スマートフォン表示」としています。
そのほか、本調査には以下のような特徴があります。
- リンクが有効な全てのファイルが対象
ウェブサイト内で品質が確保できているページとできていないページが混在する状態は、利用者の混乱を招く致命的な原因となります。一部のページを対象とするのではなく、サイト全体の全ページを分析しています。 - Aレベル~Eレベルの5段階で総合的に品質を評価
調査結果の順位付けは行なっておりません。調査対象とさせていただいたウェブサイトの現時点での到達レベルを公表することにより、各ウェブサイトの品質の更なる向上のきっかけとしていただきたいと願っております。
調査結果をお役立てください
公共機関ウェブサイトご担当の皆様は、この機会にご自身の団体のウェブサイト品質をご確認いただき、状況の把握にお役立ていただけたらと思います。
アライド・ブレインズでは、本調査結果の詳細についてコラムやメールニュース等で解説していくほか、結果を解説するセミナーを開催することを検討しております。
お問い合わせ先
アライド・ブレインズ株式会社 公共コミュニケーショングループ
電話:03-3261-7431 / ファックス:03-3261-7432
メール:office@aao.ne.jp