連載「JIS X 8341-3改正動向と公共機関HPに必要な対応」
第12回「公共サイト担当者が今年度取り組むべきポイント」
[ 2026年5月1日 ]
執筆担当
米田 佳代
(よねだ かよ)
ウェブアクセシビリティの日本産業規格「JIS X 8341-3:2016」の改正が近づき、追加される基準への対応が求められています。本コラムでは、改正の最新動向と対応のポイントを解説します。
JIS改正を控えた検討状況と今後の見通し
JIS X 8341-3の普及啓発を行っているウェブアクセシビリティ基盤委員会は、2025年10月に「JIS X 8341-3改正原案作成委員会」を立ち上げ、JISの改正に向けた検討を進めています。
今回の改正は、国際標準である「Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)2.2(ISO/IEC 40500)」との一致規格とする方針で原案作成が進められており、検討が順調に進んだ場合、令和8年度内に改正が公示される可能性があります。
また、この改正により、JISには現在の基準に新しい達成基準※が追加され、「適合レベルAA準拠」に求められる達成基準の数は現行の約1.4倍に増加する見通しです。
※ホームページ等の作成方法に関する基準
JIS改正に向けて、総務省ガイドラインが求める取組
総務省が2024年5月に公表した「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」では、現行のJISに確実に対応するとともに、改正により追加が見込まれる新基準への対応を、できる限り推進することが求められています。
1.現行JISに問題が無いようにする
総務省の調査により、多くの公的機関ホームページに、現行JISの基準に未対応の箇所が残っていることが確認されています。現行JISに対応していない場合、改正後のJISの基準も満たさないことになるため、まずは現行JISへの確実な対応が重要です。
2.JIS改正に向けて、新基準への対応を推進する
JIS改正により、モバイル端末、弱視、認知・学習障害、ナビゲーションに対応する達成基準が追加される見通しです。改正JISの基となるWCAG2.2(日本語訳)は既に公開されているため、改正を待たずに新基準に対応することが求められます。
「Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2」(日本語訳)
https://waic.jp/translations/WCAG22/
3.誤った取組を是正する
総務省ガイドライン(p.39)に、現行JISに対する誤った取組の具体例が示されています。内容を確認し、不適切な対応がある場合は、速やかに見直しましょう。
JIS改正に向けて、今年度求められる取組
総務省ガイドラインを踏まえ、既に対応に着手している団体では、下記のような取組が進められています。
- JIS改正の動向の把握
- 新基準に基づくホームページの検証および改善
- 新基準に基づくホームページリニューアル(リニューアルに取り組む場合)
- ウェブアクセシビリティ方針の対応目標に新基準を追加
- 団体内で使用するガイドラインへの新基準の追記
- 職員研修を通じた新基準への対応の周知
まだ新基準への対応に着手していない公的機関の方は、まずは求められる取組内容について把握することから始めましょう。そのうえで、改正JISへの取組計画を策定し、必要に応じ、予算の確保を検討することも必要です。
アライド・ブレインズでは、JIS改正の最新動向や求められる対応について、コラムやセミナーにて解説予定です。是非ご活用ください。
[関連コラム]
[解説セミナー5月~7月(大阪、東京、福岡) ]
- 「JIS改正に備えるアクセシビリティ対応計画」
- 「公共サイト運営の最重要課題と、必須の対応」
- 「3年以上前から取り組むHPリニューアル事前準備」
- 「事業者に丸投げしない、課題解決に向き合うHPリニューアル」
- 「公開コンテンツの重大欠陥・リスクに対処する」
次回以降のコラム
JIS改正や総務省ガイドライン(2024年版)が求める取組について、より詳細に解説予定です。本連載はA.A.O.ウェブサイト(https://www.aao.ne.jp/)で公開しています。
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