2026年自治体調査 「A~Dレベルが増加、Eレベルが過去最少に」 ~改善の流れから取り残されていませんか~
[ 2026年10月27日 ]
執筆担当
大谷 昌也
(おおたに まさや)
アライド・ブレインズでは、2006年より公共機関ウェブサイトの品質を調査する「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査」を実施しています。この度、2026年の調査結果の公表を開始しました。今年の自治体編では、過去の調査と比較して注目すべき変化が見られました。
Eレベルが過去最少、Dレベルへ改善する自治体が増加

2026年調査の評価レベル別団体数
今回の調査では、最低評価のEレベルが330団体、全体の約38.6%となりました。
2006年からの調査で、Eレベルの団体が過去最少となっています。一方、Dレベルは402団体と、今年の調査では該当団体が最も多く、これまでEレベルであった団体がDレベルへ上がったというケースが多数見られることが、今年の大きな特徴です。
本調査は、ウェブサイトの全ページを解析し、画像代替、文章の構造化、ナビゲーション等への対応状況を評価しています。Dレベル以上になるには、ウェブアクセシビリティの基本である画像代替と構造化について、サイト全体で一定の水準を満たす必要があります。
今回の変化は、多くの自治体で、基本的なアクセシビリティ対応をサイト全体に行き渡らせる取組が進み、成果につながってきたことを示していると考えられます。
総務省の要請に基づき、JIS改正に向けて取組を推進する団体が増加
この背景の一つとして考えられるのが、2024年に公表された総務省「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」です。総務省は、現行JISへの確実な対応と、JIS改正を見据えた新たな基準への対応推進を求め、不十分な点や適切でない取組がある場合は、速やかに見直すよう求めています。このような強いメッセージは2024年前後から度々発信されており、総務省の事務局を担当したアライド・ブレインズが、各自治体への郵送や講習会といった形で周知をしました。
こうした国内全体の取組の強まりや、来年に見込まれるJIS X 8341-3の改正を受け、改善に取り組む自治体が増えたことが、今年の結果につながった一因と考えられます。
改善の流れから取り残されている330団体
一方、依然としてEレベルとなっている330団体は、この変化を重く受け止める必要があります。弊社では、Dレベルを公共機関に求められる品質を目指す上での「スタートライン」と位置付けています。Eレベルは、画像代替や構造化をはじめとした基本的な配慮に、不十分な点が残っているという評価です。
多くの自治体が改善を進め、Dレベル以上に到達する中、Eレベルにとどまっている団体は、改善の流れから取り残され始めていると言えます。取組を行っていてもEレベルが続いているのであれば、その進め方が十分な成果につながっているかを問い直す必要があります。
自団体のホームページにどのような問題が残っているか、なぜ改善が進んでいないかを、あらためて確認してください。
来年のJIS改正を待たず、改善してください
別のコラムで解説のとおり、来年に見込まれているJIS改正では、達成基準が現行の1.4倍となる大きな変化が生じます。また、現行の達成基準はほぼそのまま引き継がれることから、現行JISへの対応に問題を残したままでは、新しい基準への対応も重なり、改善の負担はより一層大きくなります。
まずは現在の問題を把握し、基本的な対応を確実に進めることが不可欠です。
特に、Eレベルとなった団体のホームページご担当者様は、今年度の調査結果を参考に、問題の原因を検討し、改善を進めてください。
[解説セミナー 2026年11月、2027年1月]
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