連載「JIS X 8341-3改正動向と公共機関HPに必要な対応」
第14回「JIS改正で追加される読みやすさへの配慮」
[ 2026年8月17日 ]
執筆担当
米田 佳代
(よねだ かよ)
ウェブアクセシビリティの日本産業規格「JIS X 8341-3:2016」の改正が近づいてきました。本コラムでは、改正により追加される見込みの読みやすさへの配慮について解説します。
JIS改正でスマートフォンや学習障害などへの配慮が強化
近い将来予定されているJIS改正では、スマートフォンでの操作性や弱視者への配慮に加え、学習障害のある方への配慮、ホームページ内のナビゲーションなどに関する達成基準が追加される見込みです。JIS改正により、これまで以上に多様な利用者が使いやすいホームページを実現することが求められるようになります。
今回ご紹介するのは、ホームページ担当者の皆様に知っていただきたい、読みやすさに関する達成基準1.4.12「テキストの間隔」です。これまであまり意識されてこなかった学習障害のある方への配慮が、新たにJISの達成基準として求められる点は、大きな変化といえるでしょう。
学習障害に配慮した達成基準「1.4.12 テキストの間隔」とは
達成基準1.4.12では、利用者がブラウザの設定変更や支援ツールを利用して、行の高さ、段落に続く間隔、文字の間隔、単語の間隔を広げても、テキストが重なったり切れたりせず、内容が読み取れることが求められます。
ディスレクシア(読み書きに困難のある学習障害)の方などが、自分の読みやすいように行間や文字間を変更して利用しても表示が崩れず、その結果、多くの利用者の読みやすさの向上につながります。
現在のホームページへの影響を早急に把握することが重要
この基準への対応では、ホームページ全体のテンプレート(ひな型)やCSS(スタイルシート)、ページの作り方など、影響が及ぶ範囲は非常に広くなります。そのため、確認・改善には相当な時間を要することが想定され、JIS改正後に対応を始めても短期間で改善することは容易ではありません。
まずは、自団体のホームページにどの程度影響があるのかを早い段階で把握し、必要な改善内容やスケジュールを検討しておくことが重要です。特にホームページのリニューアルを予定している団体では、新しい基準を見据えた設計や検証をリニューアル計画の段階から組み込んでおくことをお勧めします。
利用者を知ることが対応の第一歩
達成基準1.4.12の理解のために、ディスレクシアの方がホームページをどのように利用しているのかを知ることも重要です。
総務省では、ディスレクシアの方のホームページ利用を紹介する動画を公開しています。この動画は、昨年度、弊社が総務省からの請負により制作したものです。ディスレクシアの方にご出演いただき、公共機関のホームページを利用して困った経験や、どのようなページだと理解しやすいか、読みやすくするためにどのような設定変更を行っているかなどを伺っています。JIS改正後の対応を考えるうえでも、ぜひ一度ご覧いただきたい内容です。

出典:総務省 情報アクセシビリティポータルサイト
動画コンテンツ集>ウェブページ利用方法 より
「私はこう使ってます」多様なウェブ利用方法
~ディスレクシアの方(読み書きが困難な学習障害)のウェブページ利用紹介
アライド・ブレインズでは、JIS改正で追加される達成基準や、それに伴い必要となる対応について、引き続きコラムやセミナーにて解説予定です。是非ご活用ください。
[連載コラム]
[解説セミナー8月~10月(東京、大阪、福岡) ]
- 「公共サイト運営の最重要課題と、必須の対応」
- 「HPリニューアル失敗の原因を知り、成功に導く方法」
- 「2026年A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査結果発表・解説」
- 「ポイントを絞った支援で進めるHPリニューアル準備」
[支援サービス]
お問い合わせ先
アライド・ブレインズ株式会社 公共コミュニケーショングループ
電話:03-3261-7431 / ファックス:03-3261-7432
メール:office@aao.ne.jp




